【3つの提言】「値上げは今年の夏以降に本格化する可能性」値上げラッシュの新年度、さらにマイナス金利解除で金利も上昇…これからの生活に必要な「お金の貯め方・使い方」を経済の専門家が独自解説
一方、4月から賃金も上がります。3月の発表によりますと平均賃上げ率が5.25%、平均引き上げ額が1万6379円でした。また、年金も厚労省の発表によりますと支給額は2023年度と比べて2.7%上昇とあります。加谷氏は「現時点では物価上昇に追いついていないが、来年再来年と賃上げなどを継続して行けば実質賃金が追い付いてくる」と話しています。 Q.我々は少し我慢しないといけないのでしょうか? (加谷氏) 「今が本当に正念場で、まだ残念ながら物価に賃金が追い付いていないのですが、今年の春闘は本当の意味でのベースアップが3%台後半に行きそうですので、これは結構いい数字だと思います。今、値上げがいろいろありますが、この部分をちゃんと今年・来年の賃金に反映してもらって、『来年もしっかり賃上げが行われる』という流れが確立できれば、物価の上昇に賃金が追い付いてくるはずです」
「“タンス預金”をされている方は、そろそろ見直しを」日銀のマイナス金利解除 そのメリット・デメリット
これまでは、銀行が日本銀行にお金を預ける時にマイナスの金利、いわば銀行にとっては手数料がかかっていたということになります。この場合、銀行は日本銀行に預けるよりも企業や個人に貸し出した方が利益が出ますので、貸し出したいという動きが高まり、経済の活性化が狙えるとされていました。今回、マイナス金利を解除したことで銀行に余裕が生まれ、大手銀行の普通預金など金利の引き上げが発表されています。マイナス金利解除の理由は、「賃金と物価がともに上昇して行く“好循環”の強まりを確認したから」「日米の金利格差が縮まれば、過度の円安を抑制できる可能性があるから」としています。 Q.ただ、マイナス金利を解除しても円安は止まりませんね? (加谷氏) 「マイナス金利の解除をしないと、もっと円安が進んでいたリスクがありますので、日銀は正しいタイミングで解除したと思います」
日本銀行の上田総裁は「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている。急激な金利上昇は避けられるとみている」ということです。加谷氏によると「本格的な金利上昇は早ければ“今年の夏ごろ”準備をしないと損失が出る恐れも」あるということです。また、「まとまった金を銀行に預けるタイミングは、さらに金利が上がったころが良いのではないか。“タンス預金”をされている方は、そろそろ見直しを!」と話しています。 Q.マイナス金利が解除されても、急いで銀行にお金を預けなくてもいいということですか? (加谷氏) 「少しズレがあると思います。しかし、銀行も競争が激しくなっているので割と早く金利が上がってくる可能性もありますので、そのまま“タンス預金”をしていると、結構損をしてしまいます。ですので、銀行の金利動向をみながら、そろそろどこの銀行に預けるのか真剣に検討した方が良いと思います」 Q.自分がいつも使っている銀行じゃない銀行の方が金利が高いということが起きるのですか? (加谷氏) 「みなさん、今までどこの銀行にするのかというのはあまり考えなかったと思いますが、金利が上がるとより高いところにとなりますので、お金が動き始めて銀行としても競争になって来て、我々からするとチャンスになるので、よく見ておいていた方が良いと思います」
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