うつや不登校につながることも…思春期に「強いストレス」を感じる原因と対処法
何かと変化の多い思春期ですが、この年頃の子どもは自分自身のストレスや感情を上手にコントロールすることができません。強いストレスによる心の不調・病気を防ぐために知っておきたい対処法とは? 『思春期の心理を知ろう!』(PHP研究所)より解説します。 【マンガ】不登校体験談「「朝起きられず学校に行けない…これって仮病?」(おがたちえ) ※本稿は、 松丸未来監修 『思春期の心理を知ろう!』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
ストレスや感情をコントロールできない
10代はストレスをうまく受け止められません。急激な身体の変化、進学・受験、部活動、友人・異性とのトラブルなどの多くは、どれも初めての体験で、対処法を知らないからです。 対処法とは、そのストレスに向き合ったり避けたりする方法、ストレスとの距離のとり方や受け止め方、自分の感情と身体反応をコントロールする方法などです。 強いストレスは心身ばかりか、本人の行動にも深刻な影響を与えます。
思春期によく見られる心の不調など
・心身症 苦しさやつらさが、頭痛や腹痛などの身体の不調であらわれる。まじめで自己表現が苦手な人がなりやすい。 ・幻聴、妄想(統合失調症) 自分をおどす声が聞こえる幻聴や、だれかに追われているという妄想が生じる。思春期後期以降に見られる。 ・暴言、暴力 悩みや不満からイライラが爆発し、暴言や暴力がとびだす。そんな自分に罪悪感がつのる人もいる。 ・対人恐怖 人前に立つときに「恥ずかしいことをしてしまうかも」と不安になり、極度の緊張や恐怖を感じる。 ・うつ病 さびしい気分のまま、やる気を失った状態が2週間以上続く。何事にも興味がわかない、1日の間に気分が大きく変わる、おこりっぽくなるなどの変化が見られる。 ・摂食障害 食事をこばむ拒食症は、外見や体重へのこだわりが原因。食べすぎる過食症は、食欲不振や拒食症がきっかけになることもある。 ・強迫症状 強い不安感から、それを打ち消す行為をくりかえす。たとえば、「自分の手は汚いかも」と不安を感じ、何度も手洗い行為をくりかえすなど。 ・不登校、ひきこもり 失敗がこわくて教室に入れない、いじめがいやで登校できないなど、不登校の原因はさまざま。ひきこもりは、統合失調症やうつ病などが原因となる事例も多い。 ・ゲームやSNSへの依存 睡眠時間をけずり不登校になってもゲームをやめられない人や、仲間はずれがこわくてSNS中心の生活からぬけだせなくなる人がいる。 ・自傷行為 苦しくつらい気持ちを落ち着かせるために、リストカットをくりかえす。大量服薬や性的依存などの行為に走る人もいる。