愛犬が一生歩けるように「3才から始めるトレーニング」
愛犬の足の健康を守るには、早いうちからケアを始めることが大切。とくに後ろ足の筋肉は衰えやすく、日頃からトレーニングするのがおすすめです。今回は室内でできる「後ろもも筋トレーニング」について、獣医師の佐々木彩子先生に教えていただきました。 【写真】飼い主さんが床に座った状態で膝を立て、その下をくぐらせるトレーニング
筋力は後ろ足から落ちる
犬は前足に7割、後ろ足に3割の体重をかけているといわれています。前足に体重をかけるぶん、後ろ足の筋肉から衰えやすいのです。放置すると弱って歩きにくくなるので、3才ごろからストレッチやトレーニングを取り入れましょう。 ここからは、室内でできる「後ろもも筋トレーニング」を難易度別にご紹介します。
初級:スクワット
立ち上がったり座ったりする動きは、後ろももの筋力を鍛えるのに役立ちます。やり方は「タッテ」と「オスワリ」を繰り返すだけ。おやつで誘導しながら2~3回繰り返しましょう。ゆっくり行うと、さらに効果がアップしますよ。
中級:ふわふわ丸太またぎ&足またぎ
高さのあるものをまたぐことで、後ろ足の筋肉をしっかりと動かせます。丸めたタオルを間隔をあけて数本置き、上から大きめのタオルをかぶせたら、その上をゆっくり歩かせましょう。 丸めたタオルの代わりに飼い主さんの足を使うと、またぐ高さが増して難易度アップ。おやつで誘導しながら、伸ばした足の上をまたがせましょう。足首、ふくらはぎ、太ももの順で徐々に高さを上げていってもOKです。
中級:足くぐり
低い場所をくぐる動きは、足腰を鍛えつつ股関節の柔軟性もアップしてくれます。飼い主さんが床に座った状態で膝を立て、その下をくぐらせましょう。膝の高さを下げたり、片膝だけ立てたりする状態にすると難易度がさらに上がります。
上級:ふかふか丘登り&壁沿い後ろ歩き
不安定な場所を歩くことで、体を支えるために筋肉や体幹が鍛えられます。床に置いたときに、愛犬の足の長さより低くなる厚さのクッションを用意して、大きめのタオルをかぶせてその上を歩かせましょう。クッションがやわらかいほど難易度がアップします。 また、ダイレクトに後ろ足に効くうしろ歩きもおすすめ。おやつを持った手を愛犬の鼻先に近づけ、後ろ歩きになるよう誘導します。壁沿いに歩かせると体の向きが固定されやすくなるので、後ろ歩きが成功しやすくなりますよ。難しい場合は、家具で通路を作ってもOKです。 後ろもも筋を鍛えるトレーニングを難易度別にご紹介しました。おうちの中で気軽にできるので、ぜひ取り入れてくださいね。 お話を伺った先生/佐々木彩子先生(「キュティア老犬クリニック」獣医師 獣医中医師1級 獣医推拿整体師) 参考・写真/「いぬのきもち」2024年10月号『3才から始める 「一生歩ける!」のための後ろもも筋ケア』 ※持病がある犬やハイシニア犬などは、かかりつけ医と相談のうえ行ってください。それ以外でも、愛犬がケガをしていたり体調不良の場合は控えましょう。また、無理はさせず、愛犬につらそうな様子やしぐさが見られたらただちに中止しましょう。 文/柏田ゆき
いぬのきもちWeb編集室