スポーツ、クルーズ、クールさの三位一体。インディアンモーターサイクル「101スカウト」は良質なファンバイクだった
シリーズ登場以来のフルモデルチェンジ
プレミアムなクルーザー、アメリカンスポーツを探求するインディアンモーターサイクル(以下、インディアン)。そのラインナップの中で販売の屋台骨でもある「Scout(スカウト)」シリーズ。2014年の登場以来、2025年モデルとしてフルモデルチェンジを受けました。 【画像】インディアンモーターサイクル「101 Scout」(2025年型)の詳細を画像で見る(14枚)
今回紹介するのは、シリーズの中で最もスポーティな「101スカウト」です。その「101」ってなんですか? と思いますが、これはインディアンが1928年に販売した高性能モデル、同名の「101スカウト」が起源です。 排気量750ccクラスのVツインエンジンを搭載し、最高速度はおよそ162km/h、そのマイル表記で時速101マイルだったことに由来します。 つまり、由緒正しき高性能スポーツマシンの名前なのです。 それでは「スカウト」シリーズのモデルチェンジの概要をお伝えします。 カスタマイズしやすく、電子制御をアップデイトし、性能を上げ、伝統のスタイルでパッケージ。緻密で注意深く各部の進化が行なわれています。
まずはそのエンジンです。従来の排気量1133ccから1250ccへとアップ。60度のV角度などは同じながら、ボアを拡大し、燃焼室形状も刷新。圧縮比は12.5:1へと上昇させています。 シリーズ中最もパワフルな「101スカウト」では、最高出力111馬力、最大トルク109N.mとなっています。その他の「スカウト」は105馬力となっていますが、これはECUセッティングの違いのみで出したと言います。 車体では、メインフレームが従来のアルミダイキャスト製からスチールチューブ製へと変更。一部外観意匠にも使われているリアサブフレームは、薄肉高強度のアルミダイキャストを使い、シート高の低さを実現しながら、電子制御関連部品をシート下に綺麗に配置し、エアクリーナーボックスの容量拡大にも貢献しています。 さて、「101スカウト」の特徴は前後に減衰圧、イニシャルプリロードをフルに調整可能なサスペンションを採用したことで、歴史的なネーミングにも合致したキャラクターと言えます。 フロントにゴールドのアウターチューブを持つ倒立フォーク、リアにプログレッシブレートスプリングと、リザーブタンク付きツインショックを採用。フロントブレーキにはφ320mmのダブルディスクとラジアルマウントされた4ピストンキャリパー(ブレンボ製)というスポーツバイクの足そのものを備えているのです。 合わせるタイヤはメッツラーのクルーズテックです。スポーツツアラー用のタイヤと比肩する性能で知られるこのタイヤ、そして専用パワフルエンジン、スポーツセットのシャーシがどのような走りなのか。楽しみでしかありません。