明治維新「負け組」の心意気 「薩長」の天下、彦根藩出身者は冷や飯を 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜15＞
《一方の母は「教育熱心」な家に育った》
母の父親は製網工場を始める前、小学校の教師をしていた。親類には朝日新聞やJTBの役員を務めた人もいますねぇ。
母も聡明（そうめい）な人で小学校のクラスの女子で、ただひとりだけ高等女学校へ行った。それも、近くの彦根の女学校ではなく、わざわざ電車通学して愛知川（えちがわ）町（現愛荘（あいしょう）町）の女学校へ通っていました。何でも、（母方の）祖父が「彦根の女学校はハデな生徒が多いからダメ」と心配したため、らしい（苦笑）。
教育熱心な母は僕が小さいときから、よく勉強をみてくれた。おやじに、みてもらったことは一度もありませんけどね（苦笑）。僕は当時では珍しく幼稚園に1年間、通っている。これも母の意志だったのでしょう。家庭の中では典型的な〝かかあ天下〟。おやじは尻に敷かれっ放しでしたねぇ。（聞き手 喜多由浩）
【関連記事】
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜14＞自由のない共産主義との決別 「異国の青春」では北朝鮮を持ち上げてしまい…
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜13＞大隈講堂からピアノを持ち出して 過激な番組「ゲバ学生ｖｓ猛烈ピアニスト」
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜12＞テレビの〝いい加減さ〟に魅せられた ２回パクられた「危険なディレクター」に
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜11＞新聞・テレビの就職に軒並み失敗 就職先は「左翼の巣窟」、でも仕事のほとんどは企業のPR映画
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜1＞引退するつもりはサラサラない 「老害」批判は当然 ネット炎上ありがたいこと
