ヒルクライムで訪れたい全国屈指のパワースポット『分杭峠』へ
「分杭峠」の歴史と魅力
「分杭峠(ぶんくいとうげ・ぶんぐいとうげ)」は、長野県伊那市と下伊那郡大鹿村の境界に位置する峠です。縄文時代から、海と山を結ぶ道、内陸へと塩を運ぶ道として利用されてきました。 【画像】不思議なパワースポット「分杭峠」を画像で見る(11枚)
江戸時代には、現在の長野県伊那市高遠町から、静岡県浜松市の「秋葉神社」への参詣道「秋葉街道」の一部として、重要な交通路となりました。高遠藩(たかとおはん)が領地の境を明確にするために「従是北高遠領」と刻まれた石柱(分杭)を立てたことが、峠の名前の由来とされています。 秋葉街道は「中央構造線」(関東から九州に伸びる長大な断層)上にあり、両側を高い峰々に挟まれた谷筋を通っています。中国の有名な気功師である張志祥師が分杭峠に「ゼロ磁場」を発見し、パワースポットとして注目されるようになりました。2010年以降、メディアで取り上げられたことで訪れる人が増加しています。 ゼロ磁場とは、大きな地層が互いに押し合う断層付近で巨大な力が均衡を保つ空間です。そこには大きなエネルギー「氣」が集積されると言われています。そのため、ゼロ磁場は「氣場」とも呼ばれています。
ヒルクライムで挑む分杭峠
分杭峠は人気が高まり、峠付近の路上駐車が問題となり、現在はマイカーでの訪問が禁止されています。しかし、峠の山頂にはバイクラックがあります。そう、自転車での訪問は歓迎されているのです。
標高1424mの分杭峠へのヒルクライムルートは大きく分けて3つありますが、高遠町を出発して秋葉街道、中央構造線に沿って登る北からのアプローチをオススメします。このルートは約7km、標高差550m、平均勾配8%と、本格的なヒルクライムを楽しめます。山頂に飲食店や売店はないので、水分と補給食は忘れずに携帯しましょう。 厳しい登坂を終えて分杭峠に辿り着くと、背後にはいま登ってきた街道が走る谷を見渡せます。自分の脚で登った標高差を視覚的に体感できるのは、真っ直ぐに延びた中央構造線に沿った道だからこそ味わえる醍醐味です。