中国で抗日戦争映画が公開危機 「降伏した人物を美化するな」
【北京共同】中国で今月予定された抗日戦争映画「援軍明日到達」の公開が危ぶまれている。映画は旧日本軍に投降した中国側指揮官を主人公として好人物に描いており「日本に降伏した人物を美化すべきではない」と批判が噴出。ネット上では映画の情報が削除されており、検閲で問題視された可能性がある。香港紙が伝えた。 映画が題材とした戦闘は1944年6~8月に湖南省衡陽で日中が繰り広げた都市攻防戦「衡陽の戦い」。旧日本軍約11万人に対し、中国国民党軍の方先覚指揮官率いる約1万8千人が衡陽を防衛。約50日間にわたって戦ったが、援軍は来ず弾薬が尽きて投降した。 映画は負傷兵を守るため旧日本軍と交渉して投降したとされる方指揮官を前向きに描写。予告編が公開されると左派(保守派)系サイトには「降伏した者を称賛すれば戦時にまねする者が出る」「(共産党ではなく)国民党を英雄視している」といった非難の投稿が殺到した。
映画製作側は短文投稿サイト、ウェイボの公式アカウントから全ての投稿を削除。中国のネットでは作品の検索が規制された。