コロナ禍で増えたカプセルトイ専門店。女性客の姿が目立つ＝静岡市葵区の「ガチャガチャの森」

　マシンに硬貨を入れてハンドルを回すと、小さなおもちゃや雑貨が入ったプラスチックのカプセルがランダムに出てくる「カプセルトイ」。「ガチャガチャ」の名で親しまれ、近年はマシンをずらりと並べた専門店が増える。ユニークで多彩な商品が大人の心もつかむ、今どきのガチャガチャの魅力とは―。 　静岡市葵区の新静岡セノバ内にある「ガチャガチャの森」は、2023年12月にオープンした専門店。約100平方メートルの店内に、見上げる高さに重なった計582台のマシンが並ぶ。白を基調とした店内は明るく、スタッフが常駐して来店客に対応する。女性客をターゲットにした同店は、17年に福岡県内に出店して以降、現在フランチャイズも含め全国88店舗に拡大している。

女性に照準

　「大人の女性が入りやすい店づくりを心がけています」と、運営会社のルルアーク（福岡市）カプセルトイ事業部の杉浦明日香さん（46）。店頭でまず目に入るのは、ディズニーキャラクターのかわいらしいマスコットやチャーム、ミニチュア雑貨など。幼児向けのアニメキャラクターものなどはあえて奥に配置する。 　利用者は8割が女性。10代、20代が中心だが、子どもと一緒に楽しむ子育て世代も多い。夏休みの午前中、買い物ついでに一人で立ち寄ったという吉田町の女性（41）は「小学生の子どもと一緒に遊ぶことも多いけれど、一人でもやってしまう」。企業とのコラボ商品が並ぶ一角で、本物そっくりの袋菓子とドリンクのミニチュアを前に「リアルでかわいい。どっちにしよう」と悩んだ。 　静岡市清水区の立花典子さん（46）は、中学3年の娘渚さん（15）と来店。渚さんは「トムとジェリー」などのキャラクターがお気に入りで、手に入れたキーホルダーを学校のバッグに付けて自分の目印にすることも。典子さんは「ミニチュアが好き。ちょっと懐かしいお菓子とか昔の小物とか、見ていると集めたくなる」。やり過ぎないよう、来店1度につき1回だけと決めているという。 　商品の価格は300円、400円が中心。人気商品は幅広いが、ライセンスのあるキャラクターもの以外に、各メーカーがアイデアを凝らしたオリジナル商品が充実する。最近では若い女性に人気の化粧品のミニチュアや、韓流アイドル関連商品などが発売と同時に品切れになった。