マンUで7年間活躍した元ポルトガル代表FWナニが現役引退…EURO2016では初優勝に貢献
プリメイラ・リーガ(ポルトガル1部リーグ)のエストレラ・アマドーラに所属する元ポルトガル代表FWナニが8日、自身の公式Instagram(@luisnani)を通して、現役引退を発表した。 【動画】ナニ、マンU時代のトップ10ゴール 今年5月にスュペル・リグ(トルコ1部リーグ)のアダナ・デミルスポルを退団したナニは、今夏に約6シーズンぶりの母国復帰を果たし、エストレラ・アマドーラへ完全移籍加入していた。今季のプリメイラ・リーガではここまで9試合のピッチに立ち、9月16日に行われた第5節ボアヴィスタ戦ではゴールも記録。だが、11月1日に行われた第10節、古巣でもあるスポルティングとの一戦のピッチに立った後は欠場が続いており、8日には自身の公式Instagramを通して現役引退を表明した。 動画のなかで、ナニは自身の口で現役引退を決めた理由を告白。自身のキャリアのなかでやるべきことをやり切ったという達成感を覚えていることや、父が亡くなったことで、家族との時間をより一層大事にしたいという心境面の変化などが、現役引退を決める上で背景にあったことを明かした。加えて、次のような言葉も綴り、感謝の思いを表現している。 「時は来た。プロ選手としてのキャリアに終止符を打ち、お別れを言う時がね。信じられないほどに素晴らしい道のりだった。20年間以上も続いたキャリアのなかでは良いことも悪いこともたくさんあったけれども、そんななかでも助けてくれた人々、支えてくれた人々、そして忘れられない思い出をたくさん与えてくれた人々、1人1人に心からの感謝を表明する。新たなスタートを切り、新たな目標や夢に集中する時が来たのだと感じている。また会おう!」 ナニは1986年11月17日生まれの現在38歳。母国スポルティングのアカデミー出身で、2005年8月に18歳にしてトップチームデビューを飾ると、デビューシーズンから主力のウインガーとして活躍。2007年夏には、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現:アル・ナスル)と同じルートで、マンチェスター・ユナイテッドへの完全移籍を果たした。 マンチェスター・ユナイテッド加入初年度の2007-08シーズンは主力の一角として活躍し、プレミアリーグとチャンピオンズリーグ(CL)の2冠達成に貢献。翌シーズンは負傷やコンディション面の影響もあって出番を減らしたが、3年目からは再び主力級のウインガーとして活躍を続けた。サー・アレックス・ファーガソン監督体制の最終年度となった2012-13シーズン、デイヴィッド・モイーズ監督体制の翌2013-14シーズンはケガにも悩まされ、2014年夏にはルイ・ファン・ハール監督の構想外となり、移籍を決断。最終的にマンチェスター・ユナイテッドでは7シーズンにわたってプレーし、公式戦通算230試合出場41ゴール70アシストを記録。4度のプレミアリーグ優勝など、数々のタイトルを勝ち獲った。 2014-15シーズンは古巣のスポルティングへレンタル移籍し、シーズンを通して主力として活躍。以降はフェネルバフチェ、バレンシア、ラツィオといった欧州のクラブを渡り歩き、2018年夏にスポルティングへの再復帰を果たすと、2019年に入ってメジャーリーグ・サッカー(MLS)のオーランド・シティへ完全移籍。アメリカでは3年間にわたって活躍を続け、ヴェネツィア、メルボルン・ビクトリー、アダナ・デミルスポルを経てエストレラ・アマドーラに加入し、スパイク脱ぐ決断を下した。 また、ポルトガル代表としても2006年9月のデビュー以降、主力の1人として活躍。FIFAワールドカップ南アフリカ2010は負傷の影響で出場が叶わなかったものの、FIFAワールドカップブラジル2014では主力としてグループステージの全3試合のピッチに立った。EUROには3大会連続で出場しており、EURO2016では中心選手として全7試合に出場して3ゴールを記録。母国の大会初優勝に大きく貢献した。国際Aマッチ通算では109試合出場24ゴールを記録しており、出場試合数は現時点でポルトガル代表歴代5位の数字を誇っている。
SOCCER KING