勝ち方を知る山下美夢有が「大王製紙エリエールレディス」をトーナメントレコードで優勝! 最終日をプロがレポート
「大王製紙エリエールレディス」の最終日、2位に4打差の首位から出た山下美夢有が、スコアを3つ伸ばし、トーナメントコースレコードの22アンダーで今季2勝目を飾った。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。 山下美夢有 ドライバー正面連続写真
パー71の設定の今大会で山下選手は初日から65・65・64・68とスコアを伸ばし、26バーディ4ボギーの22アンダーのトーナメントコースレコードで今季2勝目を飾りました。最終日は少しショットがブレたシーンもありましたが、前半は1バーディノーボギーで折り返し、後半の11番パー5、12番パー3できっちりとバーディを奪い、追いかける鈴木愛選手を突き放します。
今週から投入したパターのオデッセイ「2ボールTEN」が「グリーンにマッチしてくれた」と、これまでよりもヘッド重量を少し軽くしたことで「振りやすくなりタッチも合っていた」と優勝会見で話しました。山下選手はこれまでもグリーンのコンディションやストロークに合わせてパターをチェンジしながら好成績を重ねて来ましたので、パターを替えることを肯定する選手でもあります。
今日のプレーでポイントになったシーンでもある15番の10メートルを決めたバーディパットについては「ラインはフックで読みやすかった。(カップに)蹴られることが多かったので最終日は難しいなと思っていて、決めたいパットが入ってくれなかっただけに、あの長いのが入ってくれてよかった」と振り返ました。 そのあと16番のパー3でグリーン右横のバンカーに外してボギーとすると、17番ではティーショットがピンまで190ヤード弱の地点まで飛び、3打目勝負のプランのはずが5Wで届く距離まで飛んでいました。2打目も奥のバンカーまで届いたことを質問すると、「アドレナリンですね。あんなにティーショットも飛ぶと思わなかったので、3打目勝負だと思っていました。思い切って打ったらアドレナリンが出過ぎて飛んでしまったので、奥のOBまで行っていたら危なかったですね」と、優勝争いの終盤に、想定よりも飛びすぎる現象が山下選手にも起こっていました。コンビを組んだ藤野キャディによると2打目は210ヤードは飛んでいたようです。 それでも奥のバンカーから2メートルに寄せてバーディを奪ってリードを保ち「17番が大きかった」と、自らの手で勝利を盤石なものにしました。大会3日目までの好調さを出せてはいないように見えましたが、この勝利で13勝目となる山下選手は「勝ち方を知っている」強さを感じました。 今大会のFWキープ率1位、パーオン率4位、平均パット3位という抜群の安定感の仕上がりで、次戦の3連覇のかかる「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」、そして米女子ツアーの最終予選会Qシリーズへと続きます。