土屋太鳳が演じることに意味がある…。ドラマ『海に眠るダイヤモンド』”百合子”に心を奪われたワケ。稀有な魅力を徹底解説
日曜劇場ドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)が佳境を迎えている。実力派のキャストが揃い踏みの本作は、物語だけでなく、役者の演技のリアルさが毎週大きな反響を呼んでいる。今回は、メインキャラクターの中から土屋太鳳が演じる百合子と土屋の魅力を紐解く。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】土屋太鳳の表情が心揺さぶる…役者として覚醒した理由は? 貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『海に眠るダイヤモンド』劇中カット一覧
土屋太鳳演じる百合子に心を奪われる理由とは
10月20日よりスタートした『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)が、最終章に突入した。1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台に展開される本作。2つの時代と場所を行き来しながら、確かにそこにあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語が真摯に紡がれてきた。 1年間にわたる綿密な取材が反映された臨場感のあるシーン、そしてフィクションと史実を絶妙なバランスで共存させたストーリーは、物語を“過去に起こったこと”ではなく、“今起きていること”として捉えてしまうほど私たちの目にリアルに飛び込んでくる。 端島で暮らす鉄平(神木隆之介)や朝子(杉咲花)、百合子(土屋太鳳)、賢将(清水尋也)、リナ(池田エライザ)たちが織りなす青春群像劇もまた、深く心に刻まれるパートだ。 本記事では、なかでもとくに心を奪われた人物、百合子および土屋太鳳の魅力を振り返っていきたい。 百合子を演じる土屋は、NHK連続テレビ小説『まれ』(2015)のヒロイン役で一躍脚光を浴びた。その後は、映画『orange -オレンジ-』(2015)や『青空エール』(2016)、『PとJK』(2017年)、『兄に愛されすぎて困ってます』(2017)など、土屋の純真で、健気で、はつらつとしたイメージにマッチした作品への出演が続く。 だが、近年では清純派のイメージを塗り替えるような役柄が印象深い。映画『哀愁しんでれら』(2021)では腹を括った怪演で狂気に絡め取られる女性を演じ、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』(2020~)では積み重ねてきたアクション力を魅せ、『赤羽骨子のボディガード』(2024)では男として育てられた難しい役に挑戦し、麗しい男装姿を披露した。