米国の肥満治療薬の保険適用、メディケイドが最大割合=調査
Chad Terhune [18日 ロイター] - 米国で肥満症治療薬として人気を分け合うデンマーク医薬品大手ノボルディスクの「ウゴービ」と米医薬品大手イーライリリーの「ゼップバウンド」の投与を受けている患者が適用している医療保険で、低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」が最大の割合を占めていることがコンサルタント会社レバレッジのデータベースで明らかになった。民間企業や保険会社が提供する保険の適用をはるかに上回っている。 データベースは、医療保険を利用している米国民の約80%をカバーしている。それによると、両薬を投与されている人々のうち、メディケイドの保険適用を受けているのは計5220万人に及んだ。これに対し、両薬の投与者のうち民間の保険を利用している人は1370万人にとどまった。ただ、多くの企業は医療保険プランを公表していないため最大1070万人が集計から漏れている可能性があり、実際の人数は最大で2440万人になるとレバレッジは推計している。それでもメディケイド適用者数の半分に満たない。データベースに資金を提供しているロバート・ウッド・ジョンソン・ファウンデーションの幹部、キャシー・ヘムステッド氏は、多くの企業が依然として肥満症治療薬への保険提供を控えている実態が明らかになったと説明。「多くの理由で保険料が上昇しているため、(肥満症治療の)コストまで上乗せするのは少し難しくなっているのだろう」と語った。肥満症の成人が1000万人を超える米国では、両薬の登場で治療が一変した。しかし、両薬ともに定価が月1000ドルを超える上、一生投与を続けなければならない可能性もあるため多くの患者にとって保険利用が必須となっている。