アップルの生成AI「Apple Intelligence」提供開始--日本でも英語で利用可、試したい機能6選
アップルは10月29日、「iOS 18.1」「iPadOS 18.1」「macOS Sequoia 15.1」をリリースした。あわせて、独自生成AIの「Apple Intelligence」の提供を開始。「iPhone 15 Pro」「iPhone 16シリーズ」、Mシリーズチップを搭載したMac、iPad、および「iPad mini(A17 Pro)」に対応する。 【画像】電話アプリで「文字起こし」している様子 日本語対応は2025年の予定だが、日本でも言語設定を「English」にすれば英語で利用できる。 なお、今回リリースされたのは初期機能で、今後数カ月でさらに多くの機能を用意するという。とはいえ、初期機能もパワフルでバラエティ豊かだったため、以下に紹介していく。 Apple Intelligenceの初期機能 ●作文ツール 文章作成を補助する「作文ツール」が進化した。仕事でビジネス文体のメールを送りたい時や、友人へフレンドリーな文体のメッセージを送りたい時、ワンタッチで適切な文体に書き換えてくれる。リアルタイムの誤字や文法チェックも備える。「メール」「メッセージ」「メモ」「Pages」アプリのほか、他社製アプリでも利用可能だ。 さらに「メール」には「スマートリプライ」が追加。質問が含まれるメールの受信時に、返信で答えたい内容を選ぶだけで適切な返信文がすぐに用意され、短時間で返信できるようになる。なお、12月には一から文章を生成してくれる機能も追加される。 ●Siri Siriも強化された。「iPhoneでスクリーンショットを撮る方法を教えて」と聞くと、手順を画面で分かりやすく表示してくれる。「明日早起きしたい」と伝えると「アラームを30分早めますか?」と提案してくれる。ユーザーが言葉につまずいても話に追従しながら、1つのリクエストから次のリクエストへと文脈を保って、アプリを横断したタスクをこなせる。 こちらも12月にはChatGPTが統合され、より高度なリクエストが可能になるという。 ●写真アプリ 写真アプリも進化した。特定の人物やシーンを自然な言葉で検索できるようになった。ユーザーが「夏のバーベキューで友人が映っている写真を見せて」と指示すれば、瞬時に該当する写真やビデオを表示するようになった。 Google Pixelシリーズの「消しゴムマジック」に相当する機能も追加された。不要な背景の人物や物を削除できる「クリーンアップツール」だ。また、家族旅行のムービーを作成する際には、Apple Intelligenceが自動で写真やビデオを選び、ストーリー性のある映像を生成してくれる。 ●通知機能 通知管理も改良され、優先度の高い情報が一目で確認できるようになった。仕事で多忙なユーザー向けに、重要メールを受信ボックスの先頭に表示してくれる。通知の要約機能も強化され、頻繁なグループチャットやニュース通知をまとめて表示し、通知に煩わされることなく集中できるようになるという。 ●電話の自動文字起こしと要約機能 電話アプリには通話の録音機能が追加された。さらに、会話内容を自動で文字起こしし、要約してくれる機能も加わった。通話の内容を後で簡単に振り返られるようになった。 ●メモアプリでの音声文字起こし メモアプリにも音声文字起こし機能が追加された。例えば、会議中に取れなかったメモもApple Intelligenceが自動で要約するため、重要ポイントを後から確認可能となる。つまり、議事録を自動生成してくれるというわけだ。 「プライバシーに配慮した生成AI」を実現 上記機能を提供するうえでアップルが重視しているのが「プライバシー」だ。 Apple Intelligenceは「プライベートクラウドコンピューティング」に基づき、多くはデバイス上の生成AIモデルで処理する。より多くのリソースが必要となったときだけ、クラウドと連携するが、個人的な予定やメモ等のデータがクラウド上で共有されることはない。そのため「安心して利用できる」とアップルは訴求している。