トヨタ出身のエンジニアが作った都市型小型EV「Lean3」は2025年に90万円前後で発売決定
原付ミニカーは車検不要などランニングコストは少なめ
さて、Lean3の技術的なおさらいをしておきたい。まずなぜ4輪ではなく3輪なのかと言うと、これはサイズを抑えたいというのが大きな理由だそうだ。小型車/普通車の駐車スペースに2台停められるようなサイズにするためには3輪にする必要があった。これは大きなポイントでこうした視点があれば、現状の様々なモビリティをとりまく環境で受け入れられやすくなるだろう。ユーザーの増加とともに商業施設の駐車場にも2分割したスペースができるかも知れない。施設側では2分割は容易に対応できるはず、ちょっと大きいだけで結果的に従来の小型車/普通車のスペース1台分が必要になってしまったら、小型モビリティのメリットが活かせないというわけだ。 前2輪、後ろ1輪の3輪だが、後輪が駆動輪でインホイールモーターを持つ。ホイールの中にモーターがあるのだが、これはスペース効率が非常によい。大きな出力を必要としない小型モビリティとしてはメリットが大きい。メーカー名は非公表だがバイク用のものを転用しているという。また駆動輪が1つだとコスト的にもかなり有利なことは言うまでもない。 最後に車両区分についてだが、日本では原付ミニカーになる。そのため乗車定員は1名になるが、台湾と欧州向けはカテゴリーL5の2人乗りだ。日本でも今後、カテゴリーを超小型モビリティ(型式指定車)として、2人乗り仕様も販売するとのことだ。また、原付ミニカーは車検不要だが超小型モビリティ(型式指定車)になると車検が必要になる。車庫証明はどちらも不要だ。 2025年はこうしたミニカー/超小型モビリティが各社から続々と登場することになるが、このLean3はそうした中でも競争力がかなり高いことは間違いないだろう。 【主要諸元 リーン3(日本仕様/原付ミニカー)】 ・全長×全幅×全高:2470×970×1570mm ・ホイールベース:1800mm ・トレッド:850mm ・最小回転半径:3.6m ・タイヤサイズ:前90/90 R14 後150/70 R14 ・乗車定員:1名 ・駆動方式:後輪 ・モーター:インホイールモーター ・最高速:60km/h ・電池:リン酸鉄リチウムイオン ・電池容量:8.1kWh ・充電時間:AC100V/約7時間 AC200V/約5時間※ ・航続距離:100km(WLTCクラス1) ※:暫定値