イムシーダってどんな町? マルタの「都市」を大紹介
Bongu! マルタ在住のNinaです。第2回目となる今回の記事では、マルタの中でも私が暮らす都市イムシーダについてご紹介します。 といっても、イムシーダを「都市」と呼ぶには語弊があります。なぜならマルタは東京23区の約半分の国土面積しか持たないミニ国家だからです。イムシーダや「首都」バレッタは行政上の区分であって、シティーよりかはネイバフッドと言ったほうが正確でしょう。これらの地域間に大きな隔たりはなく、全部合わせて1つの都市圏を形成しています。 イムシーダはその中でもマルタ島の東部、バレッタやスリーマ、サンジュリアンといった人気の観光地のちょうど中間くらいに位置しています。観光で見るようなものはほとんどない住宅地です。国内唯一の総合大学であるマルタ大学など学校が多い地域でもあります。 私がイムシーダ暮らしを決めたのは、単にオフィスに近いからといった理由でした。2022年マルタに初上陸した私は、マルタの地理に関してほぼ無知の状態。「Msida」という地名を見て、そもそもどうやって発音するんだこれ? と頭を傾げた覚えがあります。マルタの交通事情の悪さは散々聞かされていたので、徒歩通勤圏内の物件を探したところ、今のアパートが見つかり、晴れてイムシーダ住民となりました。 イムシーダ中心部は海に面しており、マルタ有数のマリーナに数多くの個人所有のボートやヨットなどが並んでいます。そこから坂を上ると、マルタ大学のキャンパスが。私のアパートも坂のてっぺんにあり、ベランダからは180度のシティービューが広がっています。「うちからマルタという国の半分が見えるよ」と良く冗談で言いますが、あながち嘘ではないかもしれません。 イムシーダ暮らしも2年経ちましたが、この地域に愛着がわき、どこか違うところに引っ越したいという思いは全くありません。 イムシーダの魅力は何よりもアクセスの良さ。バレッタやスリーマといった商業地域まで徒歩圏内なので、生活に必要なものや娯楽には事欠きません。アメリカ・ニューヨーク州で経験した「一番近いスーパーまで車で15分」という生活とは正反対。出不精な私にとって、これくらいのフットワークの軽さは本当にありがたいです。夏場は気分の赴くまま、ふら~っと海水浴に行くこともあります。 また、学生や若者が多い地域というのも、個人的には好きなポイントです。生き生きしていて活気があって、常にどこかで何かが起こっている。ローカルなカフェに行けば、世界中から面白い経歴の人たちが集まり、まるでドラマ『フレンズ』に出てくるたまり場のような雰囲気です。 そんな場所だから、日本出身のロシア人である私も、長髪&褐色肌のニューヨーカーである夫も、すんなりと受け入れてくれました。偏見なく迎え入れてもらえることがどんなに貴重なことであるか、私たちは身をもって理解しているので、イムシーダの開放的な雰囲気は本当に捨てがたいです! そんなイムシーダも再開発が進み、新しいオフィスビルが建つなどジェントリフィケーションが進んでいます。ここ数年で家賃が高騰し、安さに惹かれて住みついていた学生や貧乏アーティストたちが、少しずつ近隣のハムルンやピエタといった地域に引っ越していっている模様。 私は今のアパートが大変居心地よく、大家との関係も良好なので(マルタでは珍しいこと)、しばらくはイムシーダにとどまるつもりです。
Nina