角田裕毅、契約延長が”単年”でも問題なし「F1で世界チャンピオンになるなら、そのプレッシャーに対処できなければいけない」
RBの角田裕毅は、F1カナダGP予選終了後に取材に応じ、チームとの契約を延長したことについて今の思いを語った。 【動画】角田裕毅、2025年RB残留決定に喜びのコメント カナダGPの予選開始30分前、RBはプレスリリースを配信し、オプションを行使して角田との契約を2025年いっぱいまで延長することを発表した。これで角田が、F1で5年目のシーズンを戦うことが確定した。 契約を延長したことで、安心感を得られているかと尋ねられた角田は、今のRBはうまくいっているため、他のチームに行った時にRBの活躍を見ることになるのは辛いはずだと語った。 「契約延長をハッキリさせることができれば、心が晴れると思います」 そう角田は語った。 「結局のところ、VCARBは好調です。そして僕がたくさんのポイントを獲得しているチームでもあります。チームを去って、VCARBが良いポジションを手にするのを見るのは、辛いでしょうね」 「レッドブルとホンダは、常に僕のキャリアの一部でした。そして僕とレッドブルは、僕自身と将来のことについて考えが全て一致しています」 「今は自分のやっていることに集中し続けています。そしてこの大きなプロジェクトの中で、このチームをサポートし続けることができるのを、とても嬉しく思っています」 2026年についての見通しはまだ立っていないと明かす角田。多くのドライバーが複数年契約を交わす中、角田が今回延長したのは1年だけ、しかも2025年限りでホンダとRBを含むレッドブル陣営の関係が終了する……角田としては難しい状況に置かれるわけだ。しかし角田は、そのプレッシャーが自分を強くしてくれると考えているようだ。 「難しい状況ですが、それには慣れています。プレッシャー(耐性)を鍛えるには、良いチームなのかもしれません」 そう角田は語った。 「結局のところ、F1ではパフォーマンスがなければいけません。世界チャンピオンになりたいなら、プレッシャーに対処する必要がありますし、とにかく常にベストでなければいけません」 「自分としては、まだ改善できる点がたくさんあります。大丈夫です」 その契約延長直後に行なわれた予選で角田はQ3進出を果たし8番グリッドを獲得したが、チームメイトのダニエル・リカルドは5番手と先行を許した。角田曰く、ターン2で突如強い追い風が吹いたという。 「まだまだ引き出せたと思っています。ターン2で後ろから不運な突風が吹き、完全にコントロールを失ってしまいました。そこで、ラップタイムをかなり失ってしまったんです」 「Q1とQ2では安定していて、常にトップ5にいました。でも(Q3は)かなり悪いアタックで、8番手に終わってしまいました……もちろん複雑な気持ちです。でも同時に、フリー走行ではあまり良いコンディションではなかったので、良い方向転換ができたと思います」 「チームにとっては、2台揃ってトップ10に入ったわけですから、とてもポジティブなことだと思います」 そして2台揃ってQ3に進んだことで、決勝では戦略に活かすことができると、角田は語った。 「ダニエルはFP1から好調でした。経験が豊富ですから、こういうプレッシャーに対処するやり方も知っているんです。そして2台揃ってトップ10入りできたことで、明日は色々な戦略を試すことができます。僕らにとって、楽しい1日になることを期待しています」 「ダニエルは速いドライバーですし、既に彼から多くのことを学ばせてもらいました。今のところ、僕らはいい関係を築けていると思います」
田中健一, Filip Cleeren