ビットコインが下げ幅拡大、米利下げ観測後退やETF需要鈍化が重し
(ブルームバーグ): 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2日の取引で下げ幅を拡大する展開となっている。ビットコイン上場投資信託(ETF)への需要の鈍化や、米金融当局の金融緩和策に対する期待が後退していることが背景にある。
ビットコインは一時5.3%安の6万6044ドルまで下落。ロンドン時間早朝の取引では6万7000ドルを下回って推移している。ぺぺやドッグウィフハットなどのミームコインも下落しており、比較的小規模な暗号資産の指数は2日間の下げ幅が過去約2週間で最大となっている。
暗号資産市場では年初からの急速な上昇基調が失速しつつある。米国の根強い物価上昇圧力を背景に米金融当局の利下げ観測が弱まっており、米国債利回りとドルが押し上げられていることで、暗号資産のような投機的な市場は打撃を受けやすい。
OSL・SGのトレーディング責任者、シュテファン・フォンヘーニシュ氏は、市場の米金融政策を巡る見通し修正は、暗号資産市場全体に影響を及ぼしているとし、「週初から次第に売り圧力が強まっている」と指摘。「過去半年間にビットコインをアウトパフォームしていたミームコインなどは特に影響を受けやすい」と付け加えた。
ビットコインは3月に付けた過去最高値の7万3798ドルから、約10%水準を切り下げて推移。ビットコイン現物投資型ETFへの1日の資金流入の鈍化が上値を抑える要因となっている。
ブルームバーグのデータによると、1日にはビットコインETF10本からの純資金流出額が8600万ドル(約130億5000万円)となった。1月11日にETFが始動して以降の流入額は約120億ドルに上る。
原題:Bitcoin Sinks on Ebbing Fed Rate-Cut Bets and Cooling ETF Demand(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Suvashree Ghosh, Sidhartha Shukla