新ヘルスケア機能とはいえ…“便器の中”を撮影し続けるスマートトイレって…アリ?
トイレの進化が止まらない…。 スマートウォッチにスマートリング。最先端の製品で目指されているひとつに、ヘルスケアの向上があります。常にユーザーの健康状態を見守り、睡眠中であってもストレスなく健康的かなどのデータチェックがリアルタイムに実施されるわけですが、新たな分野へトイレ業界まで参入してきましたよ。
便器の中を撮影し続ける
まもなくThroneが、499ドル(約7万6000円)にて発売するスマートトイレは、なんとカメラで便器の内部を撮影記録。排泄物を瞬時にAI解析し、腸内環境の改善や消化器系の異常をアドバイスしてくれます。 健康診断の一環で検便がなされることからも明らかなように、ウンチからわかることは想像以上に多いでしょう。医療分野の専門家から徹底的にトレーニングされたAIとのコンビネーションで、ほかでは味わえない、高度なスマートトイレによるヘルスケアが実現するんだとか。 そもそもトイレと最先端技術というのは、実に相性がよかったりします。日本の温水洗浄便座に驚く海外の人が話題になった時代も。その後もトイレの進化は続き、自動でフタが開いたり、勝手に水を流してくれたり、快適性を求めてどんどん技術革新の波が押し寄せていますよね。
そこまで撮られて本当に大丈夫?
とはいえ、Throneの試みには、早くも米国内で懸念が高まっているようです。だって、お尻を出して便座に座っている、その下をカメラで撮影し続けるんですよ。まさかいろいろ写りこんでしまっているのでは? そして、もっとも心配されているのは、当然ながらユーザーのプライバシー保護です。 しかし、こんなふうにThroneは説明しています。 関係のない画像は自動的に消去していく画像認識技術が用いられています。 (排泄物ではない)ほかの一切のデータは当社とは無関係で、正確な健康診断を提供するうえでも必要ありません。 「なんとなくカメラがいろいろ撮影してしまってもいるようですけど、きちんと消去されるので安心してください」ってことでしょうか? なお、それでも心配なユーザーは、いつでもThroneに情報開示を求めたり、データ削除をリクエストしたりできるとのことですね。 どうやらThroneは、専門的な医療業界へ、排泄物のAI診断技術を提供するビジネスを立ち上げていたものの、よりワイドな市場を探って、今回の一般ユーザー向け製品サービスの提供に乗り出してきたみたいです。撮影データは、すべて完全に匿名化され、サードパーティに提供されることはないとのこと。 身体の異常の早期発見のためにも、信頼して使ってみたい? そういう流れが広がるのか、今後に注目です。
湯木進悟