シャネル 、6年にわたる商標権侵害訴訟で勝訴。顧客への誤解が焦点に
判決に対するWGACA側の主張
WGACAにとってシャネルは一時期、2番目に売れているブランドだったが、WGACAのCEOのセス・ワイザー氏の証言によると、今はそうではないという。しかし、シャネルは依然として重要なブランドであり、WGACAの利益率は約35~40%だ。ワイザー氏は証言のなかで、WGACAで販売されていた数点のシャネル製品は、所有者が購入したのではなくシャネルから贈られたと思われていたがゆえに、出所が確認されていない場合があったと述べている。ワイザー氏はこの取り決めに問題があったかについては否定した。 同氏は法廷で「消費者が何かを購入したいという欲求を持っており、当社が合法的な購買を通じてその製品を購入できるならば、当社にはその商品を販売する権利があると信じている」と述べた。 2月6日の判決後、ワイザー氏はGlossyに対し、判決には失望していると述べ、「裁判はまだ終わっていない」と付け加えた。 「判決後の申し立てはまだ裁判所に出されていない」とワイザー氏。「訴訟が決着した後にさらなるコメントも出すつもりであり、法的な選択肢を検討する中で申し立てに期待している」。 また、ワイザー氏は、この判決がWGACAが偽造品を販売したことの証明であるという点は否定した。 「WGACAは常に厳格な認証プロセスを行っており、会社の歴史において非正規品や偽造品を販売したことは一度もない」とワイザー氏。「今日の判決は、偽造品の販売についてではなく、シャネルのデータベース内で無効だった商品をWGACAが販売しているということだった。このデータベースにアクセスがなければ、再販業界はシリアル番号のステータスを知ることができない。当社は真正性の100%保証を引き続き堅持する」。
訴訟や自社再販で対応するラグジュアリーブランド
再販プラットフォームが販売する商品の権威になりうるという考えに対するシャネルの異議は、特に米国で昨年、400億ドル(約6兆円)近くに達し、急成長中のラグジュアリー再販にとって重要なものである。シャネルが抱えるもうひとつの大規模な訴訟はザ・リアルリアルに対するもので、こちらも2018年に始まり現在も係争中だ。こちらもザ・リアルリアルがシャネル製品の真正性を保証できるかどうかなど、ほぼ同じ領域が対象になっている。 近年では、オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)などのラグジュアリーファッションブランドが、既存のサードパーティプラットフォームと連携せずに自社の再販チャネルをローンチするようになっている。それにより、ブランドは自社製品の第二の人生から収益を得られるだけではなく、製品のマーケティングもコントロールすることができるようになる。 [原文:Chanel wins lawsuit against What Goes Around Comes Around over trademark infringement] DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
編集部