“ネコを食べた女”事件と「移民はペットを食べる」トランプ氏発言 “伝聞混同”で誤情報拡散…地域のイメージダウンで女に重罪適用か
米大統領選挙で論争の的になった「ネコを食べる女」は、現実に存在していたことが分かった。 【画像】27歳のアレクシス・T・フェレル被告
“ネコを食べた女”動物虐待で禁錮1年
米国オハイオ州の地元紙「カントン・レポジトリー」によると、同州スターク郡一般司法裁判所で2日、27歳のアレクシス・T・フェレル被告に対して動物虐待で禁錮1年の判決が言い渡された。 フェレル被告は2024年8月16日、オハイオ州スターク郡カントン市の団地で、猫の頭を踏み潰して食べているのを見た住人の通報で警察に逮捕された。その際、警察官が身につけていたボディカメラには、フェレル被告が四つんばいになって猫にかじり付いている様子が記録されていたという。 同被告側は当初、「心神喪失による無罪」を主張したが、審理評価の結果「法定手続きを理解し自身の弁護ができる能力がある」と判断され、第5級の重罪が適用されて判決となったものだった。
テレビ討論会で「移民がペットを食べる」発言
この“事件”が地元で話題になっていた頃の9月10日、隣のペンシルベニア州フィラデルフィア市では大統領選挙の候補者同士のテレビ討論が行われており、別の「ネコを食べる人」をめぐって論争が展開されていた。 その口火を切ったのはトランプ前大統領で、不法移民が米国社会を毒していると主張して次のように言った。 「オハイオ州のスプリングフィールドでは移民が犬を食べている。ネコを食べている。ペットを食べているのだ」 この発言に司会者のABCニュースのキャスターが割って入り、「スプリングフィールド市の担当者は、移民たちによってペットが危険な目にあっているという報告はないと言っています」と指摘したが、トランプ前大統領は「テレビでそう言っていたよ」と譲らず、民主党支持者は「これこそがトランプ発のフェイクニュース」と非難し、「ネコを食べる人」がいるかどうかが大統領選挙の争点にもなってしまった。 この話は、ある種の社会現象に発展し「猫を食べるな」というふざけた車に貼るスティッカーがネット通販で全米で売り出されたり、挙げ句の果てには「猫を食べろ(Eat the Cat)」というヒップホップ曲も現れた。ザ・マリーンというラッパーが作詞作曲したもので、その歌詞は和訳すると次のようになる。 「彼らは犬を食べている 彼らは猫を食べている 猫を食べろ、猫を、猫を食べろ、猫を食べろ 怒りで目が赤くなる、だから俺を刺激するな ドナルド・トランプじゃないけど、(ニャー)を捕まえようとしてる それはハイチ人だと言った スプリングフィールドのどこかで 女が とんでもないことをしでかしている。 ガーフィールド(漫画「ガーフィールド」の主人公のネコ)を見たことあるかい?(ネコを食べろ)」