井上を指導する小谷野コーチ（撮影・田中太一）

　藤川球児監督（４４）率いる新生阪神。コーチングスタッフも一新された中、インタビュー企画「新コーチに聞く」では阪神・小谷野栄一打撃チーフコーチ（４４）が２回にわたって登場。意気込みを語った。 　　◇　　◇ 　－チームに入って、雰囲気はどう感じる。 　「今までがどういう感じで取り組んできたかっていうのは、僕はちょっと分からないですけど、（キャンプ視察に来た）岡田さんと話させていただいて、こういうようなことをやってたっていうことは、いろいろ情報はいただきました。現場に立って、ほんとにいい雰囲気の中やれてますし。集中するとこは集中して、すごくメリハリのある、いい取り組みが全体的にできてるのかなとは思います」 　－セ、パの違いは。 　「来年実戦の中でしか感じられないこともあるんで、そこも含めてですけど、僕自身もチャレンジだと思うんで。ほんとにパ・リーグしか知らないんで。だから、選手から学ぶことも絶対あると思いますしね。先輩方とかいろいろ勉強させてもらって、吸収した中でいいものを作り上げていったらなと思います」 　－メニュー内容は全体向けが多いのか、個別なのか。 　「これが一番合うだろうなっていうのを一緒に、個々に話し合いながら。どういうような取り組みをしてたかっていうのも選手からもちゃんと情報をいただいて、それでいきなり変なこと、違ったことをするわけじゃない。今まで自分の中で積み上げてきたものを、よりいい方向に持っていけるようにっていうようなことで、今は個々には取り組むようにはしてますけど」 　－現役、コーチ時代も含めて引き出しは多い。 　「いや、もうそんなん。自分がそんなふうにできるとは思ってないんであれですけど、一緒になって、逆に選手からこういうのがあるよって教えてもらった時に、それいいなと思ったら、それを全体的にとか、また違った選手にも伝えられることもありますから。僕がこういうことをできるっていうよりは、いろんな人たちから得たものをみんなで作り上げていくような感じですかね。僕もまだまだコーチ歴もそんな長くはないですし」 　－コーチが一番大事にしていきたい部分は。 　「絶対の正解はないと思うので。こういう時はこれをすればいいっていうものは一切ないんで。やっぱり日々進化していくもんだと思うんですね。技術的なこともそうですし。だからそこを自分が凝り固まってしまうと、選手の成長がそこで止まってしまうと思うんで。だから一緒になって成長していけるというか、進化していくようなスタンスでやっていきたいなと思ってます」 　（続けて） 　「僕らの時代、スピードであったり、パワーであったりっていうのは、選手の能力っていうこと自体を考えると今の子たちなんて全然すごいですから。『俺らの時は』っていう表現をするっていうのが一番失礼なことだと思うんで、それだけは一切しないようにって僕自身は気を付けてます」 　◆小谷野　栄一（こやの・えいいち）１９８０年１０月１０日生まれ、４４歳。東京都出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。創価から創価大を経て、０２年度ドラフト５巡目で日本ハム入団。１５年にＦＡでオリックス移籍。１８年現役引退。打点王、ベストナイン（いずれも１０年）、ゴールデングラブ賞３回（０９・１０・１２年）。１９年に楽天１軍打撃コーチ、２０年からオリックス２軍打撃コーチ、野手総合兼打撃コーチなどを歴任。ＮＰＢ通算１３９４試合で打率・２６４、７１本塁打、５６６打点。