ブッキング・ドットコムが「2025年の旅行トレンド」を発表
バズワードや造語が旅行トレンドを定義づける傾向が近年、加速している。2025年もその傾向は変わらないようだ。旅行予約サイトのBooking.com(ブッキング・ドットコム)が発表した恒例の「旅行トレンド予測」で、2025年に流行しそうな新たな旅行スタイルが明らかになった。 【画像】2025年にトレンドとなるであろう旅先 今回の予測では、年齢や性別、ジェンダーなどのタイプ別に期待される旅行の在り方や、「人としての成長」や「自分探し」のための個人旅行は却下されている。では、2025年旅行トレンド予測の目玉と、このトレンドに乗った旅ができる欧州の行先を紹介しよう。 ■天体観測が楽しめる冷涼な旅先が人気に 宇宙旅行の実現が近づくなか、旅行者は宇宙とのつながりを感じられる場所に目を向け始めている。そして2025年には、宇宙旅行よりも達成しやすい方法での宇宙探求を目指すだろう。 ブッキング・ドットコムが実施した2025年旅行トレンド調査では、半数を超える62%が、人でごった返す日中を避けて真夜中の魔法を楽しめるよう、「夜空を堪能できる観光地に行きたい」と回答した。例えば、満天に輝く星を眺める「星浴」、ガイド付きの天体観測や星座観測、一生に一度しか見られない天体ショーなどが、恒星や惑星を楽しめるアドベンチャーとして人気だ。 こうしたトレンドを後押ししている要因には、地球温暖化への不安もある。調査では、「気温が上がる昼間を避け、夜間の観光を増やしたい」という回答が半数を占めた。また、42%が「冷涼なところに行きたい」と回答した。 このトレンドを試せる欧州の旅行先として上位に入ったのは、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンなど。オーロラ観測や雪を楽しむことができ、光害の影響が少ない国々だ。 ■空港は、もはや単なる経由地ではない 保安検査を通過した後に、混雑するラウンジでひたすら待たずに済むよう「ギリギリ」の時間に空港に到着するのは、もはや遠い昔の話だ。2025年の旅行者は考えを改め、「旅の始まり」に、新時代の空港エンターテインメントを楽しむようになる。 調査では、3分の1以上(34%)が「空港に行きたい、という理由で旅先を決めてもいい」と回答した。また、「独自の体験や施設を楽しめる空港に関心がある」と答えた人は60%だった。 ただし、このトレンドに拍車をかけるのは、Z世代とミレニアル世代になりそうだ。この2つの世代では、「空港を基準に旅先を検討してもいい」と回答した割合が43%に上った。空港はストレスがたまる場所だという固定観念を捨て、気ままな体験を優先したいというわけだ。 ロンドン・ガトウィック空港やフランクフルト空港ではカプセルホテルで仮眠を取り、ロンドン・ヒースロー空港やヘルシンキ空港ではスパで心身を癒し、シュトゥットガルト空港ではミシュラン三ツ星レストランの料理を堪能しよう。 ■長寿やウェルビーイング改善を目的とした旅 旅行者の58%は、「寿命を延ばしたり、ウェルビーイングを改善したりすることだけを目的とした旅行にお金を出してもかまわない」と考えている。最優先すべきは心身の根本的な回復であり、ボディ・バイブレーション(全身の部位を振動させる運動)からレッドライト療法(赤色光を使ったエイジングケア)、幹細胞を使った肌再生などが人気になるだろう。 調査回答者の半数を超える67%は、よりバランスの取れた自分を取り戻せるよう、日常生活に新しいウェルネス改善アクティビティを取り入れたいと考えている。例えば、コーヒーの効果を最大限に得られる適切な摂取タイミングについて学んだり、美容点滴を受けたりといった方法だ。 ウェルネス改善に適した欧州の旅行先上位には、一流のスパや美容術を体験できるオーストリアやスイスなどがある。