横浜DeNAが4連勝でついに首位ヤクルトと6ゲーム差…最大17.5ゲーム差から逆襲した”勢い”の理由は?
なぜ横浜DeNAは強いのか。 三浦監督は阪神3タテを果たした前夜に好調の要因を聞かれ「粘り強さ」という表現を使った。それは投打両方における「粘り強さ」だ。4連勝の中身を検証すると、先発投手陣の踏ん張りに尽きる。9日の阪神第一戦はエースの今永が2失点完投。10日の第二戦は浜口が8回無失点、11日の第三戦も石田が7回を1失点。いずれもしっかりとゲームを作った。ミス絡みの失点から崩れかけるシーンもあったが、そこからの「粘り」があった。三浦監督は、常に「あれくらいは」と、失点を想定内と捉えて余裕を持って大きく構える。最下位の昨年は、完璧を求めたが、今季は違う。この日も、大貫が2回に村上にバックスクリーン左に飛び込む41号先制アーチを浴び、回にもオスナに同点ソロを許したが、いずれも単発の最少失点。傷口を広げない「粘り」があった。その粘りの裏にあるのが攻めの姿勢だ。 強弱を絶妙につける嶺井のリードが投手へ「逃げるな」と叱咤する。 その典型が、大ピンチを切り抜けた8回にあった。 2番手のエスコバーが3つの四死球で自滅。一死満塁の絶体絶命のピンチを迎えたが三浦監督は、ここで入江をマウンドに送った。サンタナに対して入江は、真っ向ストレートで挑み空振りの三振。続くオスナには警戒しすぎて、押し出しの四球を与えたが、そこから崩れずに粘った。ヤクルトは、とっておきの代打・山田をコールしたが、攻めの姿勢を貫き、全球ストレート勝負。最後は153キロのストレートで押し込み、山田が天を仰ぐライトフライに打ち取り1点のリードを守った。 投手陣には相乗効果が生まれつつある。 虎に3タテを食らわせた石田が「(今永、浜口は)ライバルであり仲間。負けられない気持ちを持って投げている」と口にし、三浦監督は、「大貫にはプレッシャーになるだろうな」とも語っていたが、先発陣が、互いに刺激し合うことで好投の数珠つなぎ現象が生まれている。 大貫は連勝の流れを止めずにチーム最多の9勝目をマークした。 打線も好調をキープしている。首位打者の佐野から牧、宮崎と続く、クリーンナップの得点力はセ・リーグトップクラスで、前日の阪神戦で決勝2ランを放った7番打者の嶺井が、4回にふらふらっと一塁、二塁、ライトの間の”魔の三角地帯”に落とすラッキーなタイムリーを放つなど、下位打線で点を奪うことでできているのも強みとなっている。 7連敗の泥沼にいるヤクルトが目を覚ます前にゲーム差は詰められるだけ詰めておきたい。 ソトが言う。 「ヤクルトが上にいるが、まだまだ試合数が残っている。この調子を続けていきたい」 今日の先発は今季まだ勝利のない左腕の坂本。明日14日には阪口を今季初先発起用することも三浦監督は明かしている。勝利の数珠つなぎ現象をどこまで継続できるか。チームのスローガンは「目の前の試合をひとつずつ」である。