北朝鮮、4.5トン弾頭で破壊を狙う「韓国の地下バンカー」
【09月23日 KOREA WAVE】北朝鮮が韓国軍指揮部などを無力化するための兵器開発に拍車をかけている。今年7月に続き、今月18日に2カ月ぶりに4.5トン級の在来式弾頭を装着した短距離弾道ミサイルの試験発射に成功したと主張したからだ。 この兵器は、「戦術核兵器」級の威力を持つ韓国軍の高威力弾道ミサイル「玄武4」に匹敵する威力を持つと評価される。北朝鮮は今後、この兵器を実戦配備し、有事の際に韓国内の地下バンカーを破壊する用途に活用するとみられる。 北朝鮮の朝鮮中央通信は19日、ミサイル総局が18日、「新型戦術弾道ミサイル『火星砲11タ―4.5』の試験発射と改良型戦略巡航ミサイルの試験発射を成功裏に実施した」と報道した。 同通信は「新型戦術弾頭ミサイルには設計上、4.5トン級の超大型常用弾頭が装着された」「試験発射は超大型弾頭を装着したミサイルで、中等射程320キロの目標命中精度と超大型弾頭の爆発威力を実証することを目的に実施した」と伝えた。 これと関連し、韓国軍は19日午前6時50分ごろ、北朝鮮が平安南道价川一帯から北東方向に発射された短距離弾道ミサイル数発を捕捉したことを明らかにした。 北朝鮮は7月1日にも「火星砲11タ―4.5」を試験発射したとしたうえ、同月中旬にも2回目の試験発射をすると予告した。その予告の日から今回の発射まで2カ月以上もかかったのは、1回目の試験発射時に提起された2発のうち1発の非正常飛行による試験発射失敗の可能性と関連があるようだ。1回目の試験発射の際、写真を公開しなかった北朝鮮は、今回は発射の様子や弾着の様子などが盛り込まれた写真を限定的に公開した。 北朝鮮は2021年1月、朝鮮労働党大会で「超大型核弾頭」の開発を決定して以来、超大型核弾頭の生産継続を国防力発展5カ年計画の「中核的構想」(目標)とした。 北朝鮮は同年3月、北朝鮮版イスカンデル系列のKN23(火星11型)改良型を発射し、これを「弾頭重量を2.5トンに改良した兵器体系」と発表した。 韓国軍が弾頭重量が4.5トンに達する「玄武4」を披露すると、北朝鮮はミサイル弾頭の重量と大きさを拡大し続け、玄武4に匹敵する「火星砲11タ―4.5」を開発したとみられる。 火星砲11タ―4.5は、韓国軍の地下バンカーなど主要施設を無力化できる破壊力を持っていると推定される。「火山-31」などモジュール型戦術核弾頭の搭載も可能と判断され、実戦配備されれば、韓国軍への脅威は少なくない。 ただ、2021年3月に2.5トン級弾頭搭載型の火星-11型と、今回公開されたミサイルを比較した時、外観上、大きな差がないという点で、北朝鮮が射程距離減少を甘受して弾頭重量だけ2トンほど増やしたのではないかという分析も提起されている。射程距離を維持したまま弾頭の重量を増やすには、推進体系が大きくなり、ミサイルも長くならざるを得ないためだ。 問題は精度だ。北朝鮮は今回、弾道ミサイルの初の内陸試験発射を実施し、そのミサイルが標的に命中する様子の写真を公開したが、実戦では異なる可能性がある。 牙山政策研究院のヤン・ウク研究委員は「試験発射の環境では、実戦的誘導方式ではなく、レーザー照準など、実戦では使わない方法で精度を高めることができる。ウクライナ戦争で使用中の火星11が空中分解したり標的を命中させられなかったりするケースが多い。火星砲11タ―4.5も実戦では性能差が非常に大きい可能性がある」と指摘した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
KOREA WAVE