食後、どのくらいの時間を置いて歯磨きすれば良い?専門家に聞いてみた
*この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 【写真】バスタイムに、一日の疲れと汚れを流す19のいいモノ 日々の口腔衛生を保つためには、食後すぐに歯を磨くのを避けるべきである。専門家による解説をお届けしよう。 理想的な口腔衛生を保つためには、守るべきルールがいくつかある。まずひとつ目は、歯磨きの頻度で、最低でも1日2回行うこと。ふたつ目は少し意外だが、食事後の歯磨きのタイミングに関するものである。食後すぐに歯を磨く習慣があるなら、それは間違いだ。
どのくらい待つべき?
食後の歯磨きは、20~30分待ってから行うのが理想的だ。エクス=マルセイユ大学で歯科修復・矯正部門の責任者を務め、口腔内微生物叢に関する感染症研究チームを率いるエロディ・テレール博士はこう説明する。「食事を摂ると口腔内で酸性の反応が起こります。このため、pH(溶液の酸性度)は低下し、病原性細菌の増殖やエナメル質の脱灰が起こりやすくなります。」歯磨きを始める前に待つことで、唾液がpHを上昇させ、口内の酸性度を低下させる時間をとることができる。これが歯を保護するために重要な役割を果たす。
歯磨きを待つ間にできること
歯磨きを待つ間、水で口をすすぐことで一部の細菌を取り除くことができる。また、酸性度を抑える効果がある食品もある。その代表が乳製品だ。「乳製品にはカルシウムやリン酸塩が含まれており、これらの成分がエナメル質を強化し、pHの低下を防ぐ役割を果たします」とテレール博士は説明する。
適切な歯磨き習慣で口腔衛生を保つ
正しい歯磨き方法を実践することが重要だ。エロディ・テレール博士は、「歯茎から歯へ、赤から白へと動かす方法を2分間行うのが基本です」と「ローリング法」を推奨している。フッ素配合の歯磨き粉を使って1日2回以上、歯磨きすることが推奨されており、フッ素は歯のエナメル質を強化し、口内の酸性度を下げ、虫歯の発生を防ぐ。 また、柔らかい毛の歯ブラシを選ぶことも重要だ。柔らかい毛は歯と歯の間や小さな隙間まで届きやすい一方、中程度や硬い毛のブラシは効果が劣るだけでなく、歯茎や歯にダメージを与える可能性がある。同様に、力を入れすぎたブラッシングも危険だ。その結果、「歯茎が後退し、敏感になりやすくなります」とテレール博士は警告する。これにより歯周病などの問題が引き起こされるリスクがある。 text: Shapnam Mougammadou (madame.lefigaro.fr)
translation: Hanae Yamaguchi