通販ビジネスは“九州”が強いといえる意外な事情 地方の企業が都心の企業と徹底的に違うところ
「ちゃんと面倒見てくれるのか?」「システムを導入した後も寄り添ってくれるのか?」。顧客のアフターケアが大切なのは全国どこでも変わりませんが、都心部に比べて地方では特に強く要求されたポイントです。 この背景には、その企業の人たち自身が、商品とお客様の触れ合いを重要視していることがあると思います。地方の企業はお客様に寄り添う姿勢が強い。これは本当に強く感じています。 福岡のある企業では、コールセンターに力を入れて成長しています。顧客を引きつけているのは、もちろん商品の魅力もありますが、コールセンターの担当者の方の力も大きくあります。
商品について問い合わせがあった際に世間話をしたり、ときには人生相談に乗ったりすることもある。そうして「○ ○さんに勧められたから」と定期購入される方もたくさんいらっしゃるといいます。 こうした話は、都心であれば非効率だと捉えられがちです。「1人のお客様に時間をかけてもしょうがないでしょう」といった話になってしまう。しかし、人と人との触れ合いを大事にする、この考え方こそが、ビジネスに差を生んでいるという部分もあると思います。
地方の農家さんからお米を買ったらほかの野菜がついてくる、といったサービスもありますが、これは「美味しい野菜を食べてもらおう」「買ってくれてありがとう」といった気持ちから始まったものでしょう。こうした姿勢が、電話やインターネットを介していても、深いつながりを生んでいきます。 本来ビジネスというものは、そこに人の想いが乗るものです。その原点に立ち返り、人との深いつながりを築く大切さを、都会のビジネスパーソンや経営者は学ぶべきではないでしょうか。
荻原 猛/北川 共史/真野 勉/山口 拓己