前半戦とは別人…。今季後半戦で絶不調に陥る選手6人。得点から遠ざかるサッカー日本代表やW杯優勝メンバーも
何事においても継続することは難しい。サッカー選手も同様で、仮に開幕ダッシュに成功したとしても、その調子をシーズン終盤までキープするのは至難の業だ。今回は前半戦で圧倒的な成績を残しながらも、後半戦で大失速中の不調な選手6人をピックアップして紹介する(成績は4月17日現在。前半戦の定義は20チーム制のリーグは19試合消化、18チーム制のリーグは17試合消化時点)
レロイ・ザネ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ) 生年月日:1996年1月11日 リーグ前半戦成績:17試合8得点10アシスト リーグ後半戦成績:9試合0得点1アシスト 今シーズン序盤のレロイ・ザネを止めることができるチームは1つもなかった。間違いなくバイエルン・ミュンヘン加入後ベストのパフォーマンスであり、開幕9試合で8ゴールと得点を量産。その後、ゴールは止まってしまったが、切れ味鋭いドリブルからのチャンスメイクで違いを作った。 ザネの成績を見ると、シーズンの半分である17試合を消化した時点で8得点10アシストと、1試合で1ゴール以上に絡むペースの好成績を残していた。しかし、リーグ後半戦では未だにゴールを奪えておらず、アシストも1つしかない。ウインガーは特有のムラっ気があるとは言え、ここまで成績が顕著に落ちるのは珍しいだろう。 ザネの調子が大きく落ちると同時に、チームはレバークーゼンにブンデスリーガで独走を許す展開に。そして直近では細かな負傷が相次いでおり、勝ち残っているUEFAチャンピオンズリーグ(CL)には強硬的に出場するが、リーグ戦はお休みする展開が続いている。この状況を鑑みるに、現在のザネのコンディションは満身創痍であり、ベストな状態からは程遠いのだろう。シーズン終了後には母国開催のユーロ2024(欧州選手権)が控えていることから、何としてもシーズン終盤にかけてコンディションを戻したいところだ。
モハメド・サラー(リバプール/イングランド) 生年月日:1992年6月15日 リーグ前半戦成績:19試合12得点7アシスト リーグ後半戦成績:7試合5得点2アシスト モハメド・サラーを評価するにあたって忘れてはならないのが「稼働率」の高さだ。昨シーズンは出場した公式戦51試合のうち、ベンチスタートはわずか3試合のみ。メンバー外も1試合しかなく、ほぼ全試合で先発出場を飾っていた。 今シーズンも例年通り、開幕戦からコンディション万全で多くの試合に出場していた。実際に前半戦を終えた時点でプレミアリーグでは全試合に先発出場。その中で一時は得点ランキングでトップに立つなど、19試合で12得点7アシストとハイペースでゴールに絡んでいた。ところが、アフリカ・ネーションズカップに出場した後半戦は同大会でハムストリングを負傷したことで、珍しく欠場が続き、怪我から復帰後も本調子のパフォーマンスに戻すことができていない。 その結果、第20節以降のプレミアリーグ後半戦では、わずか7試合の出場に留まっている。この7試合で5得点2アシストを記録しているのはさすがと言えるかもしれないが、その内容はかなり微妙で、切れ味鋭いカットインを始めとする彼本来の理不尽なプレーは鳴りを潜めている。実際にデータで比較をすると調子を落としているのは明らかで、決定率は20%から15%へとダウン。調子の良し悪しが出やすいデータである地上戦勝率も35%から28%へと下がっていた。 リバプールは今シーズン限りでユルゲン・クロップ監督が退任することもあって、彼の下で有終の美を飾りたいところだろう。しかし、直近のクリスタル・パレスとのプレミアリーグ第33節ではサラーの決定機逸もあって0-1で敗れるなど、前線の選手の決定力不足が露呈している。タイトル獲得には絶対的エースの復活が不可欠であり、残りの数試合でエジプト代表FWは本来の調子を取り戻すことができるだろうか。