前半戦とは別人…。今季後半戦で絶不調に陥る選手6人。得点から遠ざかるサッカー日本代表やW杯優勝メンバーも
エヴァン・ファーガソン(ブライトン/イングランド) 生年月日:2004年10月19日 リーグ前半戦成績:17試合6得点0アシスト リーグ後半戦成績:10試合0得点0アシスト 昨シーズンにブライトンとエヴァン・ファーガソンが与えた衝撃は凄まじかった。ロベルト・デ・ゼルビ監督によって18歳の若さでトップチームの主力として起用され始めたアイルランド代表FWは、プレミアリーグで158分に1ゴールというハイペースで得点を重ねた。 そして迎えた今シーズンはこの年齢ながらエースとしての活躍が期待され、ニューカッスルとの第4節では自身初のハットトリックを達成。市場価値も6500万ユーロ(約91億円)に高騰するなど、世界で最も期待される若手ストライカーの1人として多くのビッグクラブに注目される存在となった。 しかし、現在は周りのサポートの少なさに苦しんでいる。今シーズンのブライトンは夏の移籍市場でアレクシス・マクアリスターやモイセス・カイセドら中盤の選手がチームを去っただけでなく、三笘薫やソリー・マーチら2列目の選手も立て続けに離脱。それによりチャンスメイクの質が大きく下がり、なかなかファーガソンの下によいボールが集まらなくなった。その結果、現在プレミアリーグでは出場15試合連続でノーゴールが続いており、最後に得点を決めたのは昨年11月にまで遡る。 ゴールが決められないのは、大きくメンバーが変わった周りだけが要因ではない。ファーガソン自身も不調に悩まされており、不用意なロストや球離れの悪さも相まって最悪の循環が生まれている。そして現在は足首の怪我で離脱中。この悪い流れのままシーズンを終えるのは何としても避けたいだろう。
フリアン・アルバレス(マンチェスター・シティ/イングランド) 生年月日:2000年1月31日 リーグ前半戦成績:19試合6得点6アシスト リーグ後半戦成績:12試合2得点3アシスト アーリング・ハーランドの陰に隠れることが多かった昨シーズンとは対照的に、今シーズン序盤のマンチェスター・シティはフリアン・アルバレスが中心となっていた。絶対的なプレーメーカーのケビン・デ・ブライネが開幕戦で負傷したことからこのアルゼンチン代表FWが代わりにセカンドトップやトップ下のポジションに入って決定的な仕事をしていた。 その結果、プレミアリーグでは前半戦の19試合だけで6得点6アシストと昨シーズンを上回るペースで得点に関与していた。ところが、迎えた後半戦は12試合で2得点3アシストと数字が大きくダウン。データでも前半戦と後半戦で違いがハッキリと出ており、決定率は前半戦が11%あったのに対して、後半戦は半分以下の5%にまで落ちている。ちなみに昨シーズンの決定率は19%だった。 今シーズンは昨シーズンと比較をすると2列目でのプレーが増えたため決定率が下がるのは致し方ない部分もあるが、あまりにシュートを外し過ぎている。中でも深刻だったのが延期分として2月に行われたブレントフォードとの第18節だ。この試合でアルバレスは5本もの枠内シュートを放ったが、いずれも得点に結びつくことはなかった。 あからさまに調子が落ちている要因の一つとして考えられるのが「疲労の蓄積」である。昨シーズンの夏からマンチェスター・シティに所属しているアルバレスは、プレミアリーグ開幕1ヶ月前の7月7日までリーベル・プレートの選手としてプレーしていた。そのため彼は2022年2月から2023年夏までほぼ連続して1年半プレーした上で、途中でワールドカップ優勝も経験した。これによる疲労の蓄積は計り知れないだろう。加えて彼は怪我での離脱もないため、ほぼ毎試合のように出場を続けている。今夏のコパ・アメリカ出場も濃厚なためオフも短いことが予想され、このまま試合に出場し続けて身体が壊れないことを祈るばかりだ。
フットボールチャンネル