【50代が今、読みたい本】大河ドラマも話題「源氏物語」を読み解く3冊
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『源氏物語 A・ウェイリー版 1』 紫式部 アーサー・ウェイリー/英訳 毬矢まりえ、森山 恵/訳 左右社 ¥3,520 英訳を手がけたアーサー・ウェイリーは10カ国語以上の言葉を操る語学の天才だった。それを現代の日本語に訳し直した本書は大胆かつリーダブル。全4巻で第1巻には「桐壺」から「明石」まで収録。おとぎ話風の文体や単語の親しみやすさも相まって、たちまち引き込まれる。
『30日de源氏物語』 三宅香帆 亜紀書房 ¥1,870 目下『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が話題の著者による入門書。いきなり現代語訳にトライするより基礎知識があったほうがよいという方針のもと、キャラクターの紹介に始まり、徐々に物語の細部に入っていく構成。『源氏物語』を読む際の虎の巻としても最適。
文芸評論家・斎藤美奈子 さいとう みなこ●文芸評論家。編集者を経て’94年『妊娠小説』でデビュー。その後、新聞や雑誌での文芸評論や書評などを執筆。『中古典のすすめ』『忖度しません』『挑発する少女小説』『出世と恋愛』ほか著書多数。最新刊は『あなたの代わりに読みました』(朝日新聞出版)。 撮影/田村伊吹 ※エクラ2024年9月号掲載