５回、遊ゴロ併殺に倒れた坂本勇人（カメラ・相川　和寛）

◆日本生命セ・パ交流戦　楽天５―４巨人（１２日・楽天モバイル） 　坂本の打撃の状態はよくないね。打球が上がらず、ライナーにもならない。原因を端的に言えば、ボールを捉えるポイントが投手寄りになりすぎている。無意識に詰まるのを嫌がっているのもあるだろうし、体にキレが出ていないことも一因だろう。結果、ボールを追いかけてしまい、崩されるという悪循環に陥っている。長年の蓄積疲労の影響もあると思う。 　率直に言えば、今の坂本は２番ではない方がいい。今は２番に強打者を置くトレンドもあるけれども、本来は、考えることをものすごく要求される場所だ。カウント、状況、点差などによって、膨大な情報処理をしなくてはいけない。坂本ほどの“野球脳”を持っている選手なら「考えないで思い切っていけ」という指示が仮にあったとしても、自然に多くの考えを巡らせ、迷いを生じてしまうだろう。 　丸、ヘルナンデスの１、２番は動かさず、坂本を３番に置いて、走者をかえすという仕事に専念させた方がいいのではないか。器用さも足もある吉川を５番にすれば、下位とのリンク役も託せる。交流戦の間は坂本をＤＨにして、体力的、精神的負担を減らしながら復調の道を探る手もある。（スポーツ報知評論家・高木　豊）