【イベントレポート】スタンリー・トン「伝説」が金鶴賞で作品賞、主演賞はリウ・ハオラン&チャン・チュンニン
第9回ゴールドクレイン賞(金鶴賞)の授賞式が本日10月29日に東京・有楽町朝日ホールで開催。スタンリー・トン(唐季礼)の監督作「A LEGEND/伝説」が最優秀作品賞に選ばれた。 【画像】来日したスタンリー・トン(唐季礼) 中国映画の最新作・話題作を一挙上映する東京・中国映画週間の出品作から、優れた作品やスタッフに賞が贈られるゴールドクレイン賞。授賞式は「2024東京・中国映画週間」のクロージングとして行われた。 スタンリー・トンは最優秀作品賞の受賞を受け、「小さい頃から香港で日本の映画やドラマをたくさん観ていて、そこからインスピレーションを受けました。映画の仕事が大好きで、この賞をいただけることを、光栄に思います」と笑みをこぼし、「映画のスタッフ2000名、1万3000頭の馬を代表して感謝申し上げます」と茶目っ気たっぷりに挨拶して会場を和ませた。 また最優秀監督賞は「アップストリーム~逆転人生~」のシュー・ジェン(徐崢)の手に。彼は「ゴールドクレイン賞を受賞するのは2度目です。またこのステージに立つことができて光栄ですし、うれしいです」と喜び、本賞のプレゼンターである滝田洋二郎の名前を挙げつつ「監督がすごくうらやましいと思うんです。私も『おくりびと』のような大作を人生の中で撮れればいいなと思っています」と伝えた。 新鋭監督賞を受賞したのは「黙殺~沈黙が始まったあの日~」のサム・クワー(柯汶利)。同作はチャン・チュンニン(張鈞甯)が最優秀主演女優賞、シェン・ハオ(沈浩)が最優秀新人男優賞に輝き、3冠となった。サム・クワーは「新鋭監督賞をいただいたので、新しさと鋭気にあふれる作品を作っていきたいです。初心を忘れずに映画作りに取り組んでいきます」と意気込む。チャン・チュンニンは「このような賞は役者にとって励みになります。今年初めに、マレーシアで人生の思い出となる『黙殺~沈黙が始まったあの日~』を撮影することができました。この映画は学校でのいじめがテーマとなった作品。これは世界各地で起きている問題です。この映画をきっかけに、社会問題に注目していただけると幸いです」と述懐。シェン・ハオは「この場を借りて、いつも変わらず支えてくれる家族に感謝します。あなたたちのおかげでがんばれています!」とにこにこ話した。 そして最優秀主演男優賞は「デクリプト」のリウ・ハオラン(劉昊然)が獲得。大きな歓声の中、ステージに上がったリウ・ハオランは「大学生のときに、同級生のみんなと半月ぐらい、日本で能楽を学ばせていただいたことがありました」と振り返り、「映画を通した今回のような交流は大事です。観客の皆さんにこの映画を好きになっていただけたことに感謝申し上げます」と思いを口にした。そのほかの受賞者、受賞作品は下記の通り。 なお本イベントには日本から滝田のほか、栗原小巻、本木克英、三島有紀子、奥田誠治、渡辺満子、中山忍、北村一輝、田中麗奈、前田敦子、中村橋吾がプレゼンターとして参加した。 ■ 第9回ゴールドクレイン賞 受賞結果 □ 最優秀作品賞 「A LEGEND/伝説」 □ 審査員特別賞 「新紅楼夢~天運良縁~」 □ 最優秀監督賞 シュー・ジェン(徐崢)「アップストリーム~逆転人生~」 □ 最優秀主演男優賞 リウ・ハオラン(劉昊然)「デクリプト」 □ 最優秀主演女優賞 チャン・チュンニン(張鈞甯)「黙殺~沈黙が始まったあの日~」 □ 新鋭監督賞 サム・クワー(柯汶利)「黙殺~沈黙が始まったあの日~」 □ 観客賞 「雲の上の売店」 □ 最優秀助演俳優賞 ヤン・トンシュー(楊童舒)「新紅楼夢~天運良縁~」 □ 最優秀新人男優賞 シェン・ハオ(沈浩)「黙殺~沈黙が始まったあの日~」 □ 芸術貢献賞 「京劇映画 捉放曹」