妊娠を機に43歳夫がSNS漬け…同窓会で再会し結婚した妻が見た「500万円の預金」の激変
LINE、メッセンジャー、インスタDMも返事なしの夫
金曜日の深夜2時に「どうすればいいでしょうか」とかかってきた電話の相手が久美子さんでした。状況から察するに、帰宅予定の夫が終電過ぎになっても帰ってこない。LINEも電話も反応がなく、Facebookのメッセンジャー、InstagramのDMも無視しているとのこと。 SNSのアプリには、相手がアプリを立ち上げているかどうか、表示されるものもあります。久美子さんは「夫は画面を見ているのに、私からの連絡は無視しているんです」と泣いています。私は「オンラインになっているということは、事件や事故に巻き込まれている可能性は低いので、明日、お話を伺いますけれど、いかがしましょうか?」と話しかけると、「わかりました」と電話を切りました。 翌日、カウンセリングルームに来た久美子さんは、大きなお腹を抱えた妊婦さんでした。小さな顔に大きな目、つやつやとした黒髪が美しく、しっとりとした日本美人といった容姿です。彼女は、大手金融関連会社の正社員で、現在は産休中。今は出産を待つだけだといいます。 「来月、子供が生まれるのに、夫は家に帰ってこない。さらに、結婚5年間、夫婦で貯めていた500万円の共同貯金を、この半年で使い果たしていたんです」と、30万円、50万円と引き出して、残高が415円になっている明細書のプリントアウトを見せてくれました。 まずは夫婦関係について伺いました。
同窓会で「スペックが足りてない」
「夫は高校の同級生です。5年前、卒業20年を記念したパーティで再会しました。ウチの高校は、偏差値70の県立トップの進学校だから、みんな安定しているんですよ。私は当時、38歳だったのですが、ほとんどの子が、上場企業か官庁に勤務しているし、子供がいる人も多かったです」 同級生の1人あたりの子供の数は、2人だったと言います。この仕事をしていると、安定した生活をして、キャリアを積む人の結婚は早く、子供のいる傾向が多いことは私も感じていました。 「私、東京のいい大学卒で、名のある企業に勤務して年収1千万円以上、超バリキャリだったから、ドヤって感じで参加したんです。でも、みんなと比べると、“あれ? スペック足りてないな”と。その時にまた結婚したいなって思ったんです」 久美子さんは27歳で結婚し、30歳で離婚しています。元夫はハングリーな性格の持ち主で、大手広告代理店に勤務後に起業した経営者だそうです。 「問題ある家庭に育ち、性格も激しく、浮気されて離婚しました。その失敗があるから、おだやかな育ちをした人がよかったんです。夫は高校時代から真面目で、大手企業で研究職をしている。義両親も高学歴かつ地元のエリートで、高校時代、毎日お弁当を持ってきていた。夫と話すと、まともで安定した生活を望んでいることがすぐにわかりました。気持ちもすごく合ったんです」 そのとき、夫は久美子さんに「あなたのこと、高校時代から好きだったんだよね」と告白。再会から1ヵ月で入籍。お互いに子供を望んでいましたが、不妊治療はせず、自然に任せていたとか。 「一緒に暮らすほど、感覚も合うし好きになっていく。夫は真面目一辺倒というのでもなく、SNSを使い、趣味の鉄道や料理で落ち着いた人たちとつながっている。こんな幸せがあるのかと、毎日思っていました」