「トラウト選手、本当に凄いんですよ」大谷翔平が語っていたバッティングの原点「僕ができてないことで彼ができちゃっていることがいっぱいある」
9月19日、前例のない「50-50」を軽々と超え、自身初のポストシーズン進出を豪快に決めた大谷翔平。ドジャースで、そのプレーは変わったのだろうか。秋のロサンゼルスから、躍動の模様をお届けする。 発売中のNumber1105号に掲載の[現地ドキュメント]大谷翔平「次々と引き出しを開けて」より内容を一部抜粋してお届けします。<全2回の前編/後編へ> 【変わりすぎ写真】「ガリガリでもトラウトらに愛されたエンゼルス時代」→「大谷のう、腕が…“まるでハルク”」&“テレビに映らない”大谷翔平…ナンバー撮影の現地最新カットで一気に見る
大谷のホームランを見下ろす風景
ドジャースタジアムはロサンゼルスのダウンタウンの北、小高い丘の上にある摺鉢状の球場だ。ネット裏の入口から入るとそこは『トップ・デッキ』と呼ばれる9階にあたり、球場の最上階となる。つまり球場のゲートをくぐった直後、歩みを進めるとフィールドが眼下に広がる。 9月6日からのドジャースの6試合を、チケットを買ってこの『トップ・デッキ』の座席から観た。選手たちが豆粒のように小さく見えるのは確かなのだが、野球を真上から見下ろすのは新鮮でもある。守っているすべての選手を一望することができるし、打球の軌道も線で追うことができる。もちろんランナーの動きもよくわかる。 その間、大谷翔平は3本のホームランを打った。45号のホームランはセンターの左へ飛び込み、46号はライトのポールを巻いてファウルゾーンにある看板を直撃した。47号は右中間への弾丸ライナー――これらのホームランはいずれも眼下で舞った。『トップ・デッキ』からは、ホームランが眼下で弧を描く。大谷のホームランを見下ろす風景もまた、新鮮だった。
原点はトラウトのバッティング
ドジャースに移って1年目の大谷のバッティングを見ていると、彼がホームランの打ち方をいくつも持っていることに改めて驚かされる。眼下に目撃した3本もすべて打ち方の違う、味わいの異なるホームランだった。この3本のホームランから、メジャーで大谷が作り上げてきた「バッティングの幹」(大谷)が見えてくる。 9月6日、ガーディアンズとの試合で左腕のマット・ボイドから打った45号は、やや内寄りの高めに来たツーシームをきっちりと身体の近くまで引きつけて捉えた。一見、上がりすぎた打球がセンター方向へ飛んでホームランになるのは、大谷がメジャーで目指してきた理想のバッティングだ。その原点はエンゼルスで出逢ったマイク・トラウトのバッティングにある。大谷の言葉を遡ってみよう。 「トラウト選手、本当に凄いんですよ。見ていたらわかりますよね。打球も凄いし、僕ができてないことで彼にできちゃってることがいっぱいあり過ぎる。一番は自分のゾーンをしっかり持っているということです。もともと打てる範囲が他の選手よりも広いんですけど、それをそれ以上に広げない。無理に追い掛けないんです」
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