「ネガティブな人限定」のカフェバー? 変わり者扱いされてきた店主の狙い、お客から見えてきたものとは
東京・世田谷区北沢にある「ネガティブカフェ&バー モリオウチ」は、“ネガティブな人限定”という斬新なコンセプトのカフェバー。 【写真】ちなみに、お店の人気メニューは「逆コーヒーゼリー」 オーナーの岡田さんは自身の店が繊細な人たちにとってサードプレイス(職場や学校とは違う第三の居場所)になってほしいと願っている。
本音を隠して生きなければならない苦しさからお店のオープンを決意!
岡田さん自身はポジティブな部分もネガティブな部分もあり、積極的に行動的するタイプであるそう。しかし、子どもの頃から言動や思想が少数派になることが多く、変わり者扱いをされてきた。 社会に出て常識や協調性を求められるようになると、本音を隠して生きなければならない場面が多々あり、生きづらさを感じるように。思想や生き方の多様性が進む今、似た想いをしている人はたくさんいるのではないか。そんな想いから、お店のオープンに踏み切った。 「社交的でポジティブな人なら、近所のバーや飲みの席などでも本音を積極的に話しやすいですが、ネガティブな人は誰にも話せず孤立し、ストレスを溜めることが多いかもしれない。そういう人でも気軽に何でも話せる場を作りたいと思ったんです」 賑やかな店内であると入りづらさを感じることもあると思ったため、夜に女性がひとりでも安心して行けるようなお店になるよう、工夫。普通のバーとは真逆の客層をターゲットにした。 コテージを意識した店内にはカウンター席の他に、個室が3席。おひとりさまでも複数名でも楽しめる作りになっている。 「水槽がある個室や靴を脱いでくつろげる個室など、お客様の気分や好みに合わせてお選びいただけるよう、全てひとりで手作りしました」 各席にはコンセントや毛布、扇風機なども用意。カウンターには常時、岡田さんがおり、会話を楽しむこともできる。 お店の人気メニューは、特製ミルクゼリーに挽きたてエスプレッソをかけたオリジナルスイーツ「逆コーヒーゼリー」(490円)。 ミルク好きにはたまらないこの一品を目当てに、来店する常連さんもいるのだとか。 「ネガティブかどうかは、自己申告制。見た目や会話の内容が明るい方も多くいらっしゃるのですが、当店は“ネガティブな人限定”なので、度合いの差はあれど、皆様ネガティブなのだと思います」 そのため、店内のカウンター席ではお客さん同士が他の場所では話しづらい素直な気持ちを安心して話し合う姿が見られることも多いそう。 「その方々が仲良くなって遊びに行くこともあります。私だけではなく、お客様同士が様々な考えを何でも話せる場になっていることは、とても嬉しいです。私はNGナシの人間なので、どんなことでも気軽に話して欲しいですね」