【高校野球】センバツ落選の桐光学園 プロ注目の大型遊撃手・森駿太、強打の捕手・中村優太は「夏一本」へ再出発
「高校No.1捕手を目指す」
ポテンシャルの高い森と並んで将来性があり、NPBスカウトが熱視線を送っているのが四番の正捕手・中村優太(新3年)だ。 キャリアは申し分ない。小学6年時は横浜DeNAベイスターズJr.でプレー。中学時代に在籍した湘南ボーイズでは遊撃手として全国大会優勝、DeNAベイスターズカップでも優勝を遂げた。 桐光学園高では1年春から遊撃手のレギュラー。遠投110メートル。体力測定では高校生のドラフト候補の中でも上位に位置する数値をたたき出すという。身体能力の高さに加え、周囲を見渡す洞察力から、1年冬に捕手へ転向。2年春からは不動の司令塔として本塁を死守してきた。2001年春のセンバツ初出場時の主将・捕手で、東海大、セガサミーでプレーした天野喜英コーチから細部まで指導を受けた。野呂監督は「この1年で、捕手としての技能が飛躍的に上達している。二塁送球は2秒をオーバーすることはなく、肩の強さがある。何より潜在的な体の強さがあり、声の出し方も的確。守りにおいて、大きなウエートを占めている」と全幅の信頼を寄せている。 「コンバートした当初は不慣れで、悩んだ時期もありましたが、昨年の夏、秋を経て楽しさが上回るようになりました。常日頃から投手とコミュニケーションを取り、試合において、バッテリーが理想の形でアウト一つを取れたときの達成感がたまらなくうれしいです」 ライバルは今春のセンバツ出場を決めた健大高崎高・箱山遥人(新3年)と広陵高・只石貫太(新3年)。「自分は高校No.1捕手を目指している。同級生に負けたくない」と闘志を燃やす。高校通算24本塁打。プロから注目を集める右の強打の捕手は「夏の甲子園の全国制覇が目標」と意欲を語る。主将・森とともに、司令塔・中村がセンターラインを固めていく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール