竹田市でサフランの収穫が始まる 高校生が摘み取り体験
サフラン産地の大分県竹田市で、出荷用めしべの収穫が始まった。市内では室内で花を咲かせる伝統的手法を用いた栽培が続く。農家は花を摘み取り、赤いめしべを乾燥させる作業に励んでいる。 市農政課などによると、同市は国内生産量の約8割を占める。市内の生産者は低温多湿の薄暗い部屋で棚に球根を並べて管理。めしべに有効成分が残りやすいという。 400を超えた時期もあった農家戸数は、生産者の高齢化や収穫期に人手が必要といった課題があり、現在は30~40戸ほどまで減少。収量は減少傾向にある。 市内吉田の阿南順子さん(74)は球根約2万個を育てる。15日は市内の久住高原農業高でサフランについて研究するチームの3年生2人が花の摘み取りを体験した。島田麻衣花さん(18)は「質が高く熟練の技を感じる。市内産は世界にも通用する。国内、海外に広がってほしい」と話した。 阿南さんによると、今年は例年より2週間ほど遅い今月10日ごろに花が咲き始めた。「寒さと湿気が開花を促すが、今年は秋になっても暖かい日が多いからだろうか」と述べた。