【詳細データテスト】アストン・マーティン・ヴァンテージ 速さと快適性を高次元で両立 魅力的な改良
はじめに
アストン・マーティン・ラゴンダ・グローバル・ホールディングplcというフルネームの、111年の歴史を持つこの会社にとって、2024年は記念すべき年になろうとしている。まず、ル・マンのトップクラスへの回帰を表明し、2台のヴァルキリーが世界耐久選手権への参戦準備を整えた。 【写真】アストン・マーティン・ヴァンテージとライバル (18枚) 次に、フラッグシップであり、フェラーリ12チリンドリに対する835psの力強いレスポンスである新型ヴァンキッシュをローンチ。さらに、フェルナンド・アロンソの依頼で開発が始まった、V12をMTで操る限定車のヴァリアントも発表した。 300万ポンド(約5億7600万円)オーバーのミドシップ・ハイブリッドハイパーカーであるヴァルハラも、本領を発揮すべくテストを開始した。そして昨年、DB12を発売してから、株価にもいい兆候が出ている。そうそう、最近ではベントレーのトップだったエイドリアン・ホールマークが、CEOとして加わったのもトピックだ。 しかしながら、おそらくそのどれも、改良型ヴァンテージの登場ほど重要ではないだろう。325km/hに達する665ps/81.6kg-mのモデルをそう呼ぶことに賛同してもらえるかどうかはともかく、アストンのエントリーモデルは、DBXを別にすれば、V8を積む稼ぎ頭になるだろう。 ヴァンテージは、ベントレーやポルシェ、メルセデスAMGやマセラティ、そしてもちろんフェラーリのライバル車に対して、アストンを代表するモデルと見なされることがもっとも多いであろうスポーツカーだ。その最新型は、これまで以上にスーパーカーを脅かす存在になった。ローレンス・ストロールがアストンに望む方向性を象徴するものでもある。フェラーリに照準を定めているのが明白だ。 従来比で30%もパワーアップし、最高速度も引き上げられた改良型ヴァンテージだが、楽しめるハンドリングバランスが犠牲になってはいないだろうか。確かめていこう。