おにぎりの写真投稿で開発途上国の給食支援 10年目の「おにぎりアクション」11/16まで
国連が定めた10月16日の「世界食料デー」を記念し、おにぎりにまつわる写真をSNSに投稿するとアフリカ・アジアの子どもたちに給食が届くキャンペーン「おにぎりアクション2024」が開かれている。今年で10回目となり、期間は10月3日～11月16日までの45日間。主催者は「食料問題への関心を高め、解決に向けてのアクションを起こしてほしい」と呼びかけている。 【フォトギャラリー】おにぎりの投稿写真や、支援先の子どもたちの写真を見る
1投稿につき給食5食
おにぎりアクションは、世界の食料問題の解決に取り組む日本のNPO法人TABLE FOR TWO Internationalが、毎年この時期に開催しているキャンペーン。おにぎりにまつわる写真にハッシュタグ「#OnigiriAction」をつけて、SNS（フェイスブック、インスタグラム、X〈旧ツイッター〉）か特設サイトに投稿すると、投稿1回につき給食5食（100円分）がアフリカ・アジアの子どもたちに届く。 投稿は無料で、給食支援の費用は協賛企業による寄付でまかなわれている。2015年の開始から2023年までの9年間で、累計185万枚の写真が投稿され、1017万食の学校給食が届けられたという。
プロジェクトマネージャーを務めるTABLE FOR TWO の山本真穂さんは、10月1日に東京・原宿で開かれた記者発表会で、「食の問題に無関係な人は、地球上に誰一人としていない。より多くの方に関心を持ってもらい、行動につなげていく必要がある。学校給食支援を通じて一緒に未来をつくるために、今年も一人でも多くの方にご参加いただきたい」と述べた。 今回は125万食を上限とし、34の企業・団体が参加している。協賛企業の1社、日産自動車の担当者は、「SNSを通じて人々がつながり、助け合いができる、今だからこそできるおにぎりアクションを通じて、より多くの子どもたちを救って可能性を広げていきたい」と話した。
世界では最大7億5700万人が飢餓に
TABLE FOR TWOは2007年設立。社員食堂などで対象のメニューを購入すると、代金のうち20円が寄付となり、開発途上国の子どもたちに給食1食分をプレゼントできる「TFTプログラム」を提供している。これまでに東アフリカのケニア、タンザニア、ルワンダ、ウガンダとフィリピンの5カ国を中心に、計1億食以上の給食を支援してきた。 国連食糧農業機関（FAO）など、国連の五つの専門機関が7月に共同で発表した報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状」によると、世界では2023年に最大7億5700万人が飢餓に苦しんでおり、特にアフリカでは5人に1人が飢餓に直面している。SDGsの達成期限である2030年時点でも、世界で5億8200万人が飢餓状態にあると予測されている。（朝日新聞SDGs ACTION!編集長・竹山栄太郎）
朝日新聞社
