都心マンション市場初の1億円超え 一方、都内マンションで値下げの動きも【WBS】
中古マンションも価格高騰
こうした状況が中古市場にも影響を与えています。こちらは東京・港区六本木にある築20年の中古マンション。最大の売りは、目の前に東京タワーが見える眺望。間取りは1SLDKで、広さはおよそ130平方メートル。通常のトイレとは別に来客用のトイレを備えるなど、ホテルのような豪華さが売りの一つです。 同じマンションの別の部屋が2年前は4億円程度で販売されたといいますが「価格は6億円後半でご案内してます。立地エリアだったり、他と類似が少ない物件はまだまだ価格は上がると思う」(「リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ」の加藤彩乃さん) こうした超高額物件を牽引しているのは、海外からの引き合いだといいます。その影響で、港区など都心6区の中古マンションの価格も去年、初めて1億円を超えました。 「海外の人だと香港や台湾の人が一番多い。投資としても皆さん自宅として使いながら将来利益を出すということで両方の目的で購入している」(加藤さん) 不動産調査を行う東京カンテイでは、外国人富裕層の参入でバブルのときとは異なり、人気物件は港区や千代田区などの一部に集中してきていると指摘します。 「東京23区の中でも都心とそれ以外で全く異なった動きになっている。外国人富裕層は手堅く勝負する。世界で戦えるエリアはどこかという見方に変わってきている」(「東京カンテイ」の髙橋雅之主任研究員)
都心マンションでも値下げ
海外マネーも加わり勢いが止まらない都心のマンション価格。一方で、都心から少しだけ離れた東京・目黒区のマンションでは別の変化が出ています。 駅から徒歩8分の立地にある築23年のファミリー層向けのマンション。現在の価格は1億700万円。販売当初から580万円の値下げをしたといいます。 こうした物件は他にも。「大京穴吹不動産」が取り扱う中古マンションの中には、世田谷区や品川区でも最近値下げをした物件があります。 「以前は相場も上がり基調が顕著だったので、強気の販売価格でも売り切れることもあった。相場が高くなりすぎたので、少しチャレンジした価格ではなくて本来売れるだろう価格帯に設定しないと成約に至らないケースが増えている」(「大京穴吹不動産」渋谷店の工藤純店長) 実際に買って住む層にとってはこれ以上の価格高騰についてこれなくなっているようです。今後、金利が上昇するリスクもある中で、マンション価格はどうなっていくのでしょうか。 「やはり一般の人は行き過ぎた価格にちょっともうついてこられないと。2024年以降は都心とそれ以外の二極化がさらに進む」(「東京カンテイ」の髙橋主任研究員) ※ワールドビジネスサテライト