ゲーム関連銘柄が高い、サウジ政府系ファンドが買い増し検討と報道
(ブルームバーグ): 任天堂などゲーム関連株が上昇。サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」グループが、日本のゲーム会社株式の買い増しを検討していると共同通信が報じたことを受け、買いが入っている。
任天堂は一時前営業日比3.9%高の8042円に上昇し、9月26日以来の日中上昇率。カプコンは2%高の3350円まで値上がりし、ネクソンも一時3%高、コーエーテクモホールディングスは2.8%高、バンダイナムコホールディングスは3.9%高となっている。
サウジ政府系ファンド、任天堂株の買い増しを検討-共同
東海東京インテリジェンス・ラボの澤田遼太郎シニアアナリストは電話取材で、日本のゲームやアニメーション市場は徐々に広がっており、サウジアラビアが日本の関連企業への投資を「国策」とする理由は十分あると述べた。
昨年末時点の運用資産残高が約7600億ドルに上るPIFは任天堂の大株主で、直近の大量保有報告書などによると8.6%を保有。コーエーテクモホールディングスの株式も約9%保有し、そのほかネクソンなどにも投資している。
共同通信によると、ファイサル・ビン・バンダル王子はインタビューで、投資は急いでおらず友好的な買い増しを目指すと発言。日本企業との関係強化のために近々PIFのゲーム関連会社の持ち分を傘下のサビー・ゲームズ・グループに移管する方針で、追加出資に加えて新規投資も常に検討しているという。
任天堂は8月に発表した4-6月期(第1四半期)の営業利益が前年同期比で71%減の545億円と市場予想(937億円)を大きく下回り、株価が一時昨年11月以来の安値まで急落した。
任天堂株が大幅安、4-6月期営業益は7割減-想定以上に厳しいとも
岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは、「新たなエリアへの商圏やビジネスチャンスが拡大するという意味では、サウジアラビアとの関係強化はポジティブに見ておいていい」との見方を示した。