年に一回の全国一斉テスト、Jアラートの「国民保護情報」って何?
きょう29日昼前に、全国瞬時警報システム(Jアラート)を用いた「国民保護情報」の全国一斉伝達訓練が実施されました。聞きなれない情報名にSNS上では「一体何のテスト」「よくわからないけれど怖い」という意見や感想が飛び交いました。「国民保護情報」とはどのようなものなのでしょうか。
対処に時間的余裕がない事態に使用するJアラート
Jアラートは人工衛星及び地上回線を使い、対処に時間的余裕のない事態発生に関して、瞬時に緊急情報を伝達するためのシステムです。Jアラート受信機を運用する全国47都道府県および1740市町村から、防災行政無線やコミュニティFM、ケーブルテレビなどを使い、その情報が発信されます。携帯電話事業者が提供する「緊急速報メール」からも連絡が届きます。 発信される情報の種類としてなじみのあるのは、自然災害に関するものです。緊急地震速報や津波警報、噴火警報のほか、記録的短時間大雨情報、竜巻情報などがあります。このほかに発信されるものが、きょう訓練が行われた「国民保護」に関する情報です。
「弾道ミサイル」「大規模テロ」などの事案が「国民保護」情報
国民保護情報は外部からの武力攻撃や大規模テロなどが迫ってきているとき、または発生した場合に、関係する地域住民に注意を呼びかけるものです。具体的には「弾道ミサイル情報」、「航空攻撃情報」、「ゲリラ・特殊部隊攻撃情報」、「大規模テロ情報」などで、内閣官房からJアラートを運用する消防庁を通じ、発信されます。 国民保護情報の全国一斉伝達訓練は、2012(平成24)年度から年一回、この時期に実施していて、ことしは5回目。今回は午前11時に、防災行政無線の自動放送などで、チャイム音が鳴った後、「こちらはテストです」という言葉が3回繰り返されました。自治体HP画面上でも「テストです」と断りを付けていますが、「国民保護」という情報名の認知度が低いため、なんの情報に関するテストが行われたのか、戸惑う人が多かったようです。