中国依存を懸念するメキシコ、米・カナダに倣い「切り離し」模索
米国企業をメキシコに呼び込みたいと考えているのは間違いない
メキシコ政府はこれまでのところ、この問題に関してUSMCAのパートナーである米国、カナダと正式な協議はほとんど行っていない。これは驚くにはあたらない。シェインバウムが大統領に就任してまだ日が浅い。だが、メキシコ政府は国内で操業する中国企業に取って代わる企業や、メキシコが現在アジア、特にマレーシアやベトナム、そしてなんといっても中国から輸入している商品の代替品を探そうと、米国のビジネス界、特に自動車や半導体のメーカー、航空宇宙企業、電子機器企業に非公式に接触している。そうした方法でシェインバウムとグティエレスが、中国に依存している貿易の多角化を積極的に模索している米国企業をメキシコに呼び込みたいと考えているのは間違いない。これが実現すれば、USMCAにおけるメキシコの地位は一気に強固なものとなり、現在の中国依存から解放されることになる。 USMCAの見直しを2026年に控え、メキシコが今後数カ月内に米国とカナダにこれまでよりも正式な提案を行うことに疑いの余地はない。高関税を課すなど米国とカナダが中国との貿易に厳しい姿勢で臨んでいることを考えれば、メキシコが自国の取り組みについて2国から賛同を得ることは間違いないだろう。3カ国が最終的にどのような結論に辿り着くにせよ、中国は分が悪そうだ。
Milton Ezrati