商品数2370万点のモノタロウが検索システムの精度を向上。テキストから高い関連性を持つ商品リストを表示する独自システムとは?
企業向けBtoB-ECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは、データを数値化し類似度で検索する技術「ベクトル検索」を検索システムに導入、従来よりも探しやすく必要な商品をより短い時間で見つけることができるようにした。 ほぼすべての入力された検索ワードに対して、高い関連性を持つ商品リストを検索結果として表示することができる。 「モノタロウ」で取り扱う商品は商品数2370万点(2024年9月末時点)。「ベクトル検索」は、テキストや画像などのデータを数値に変換し、その似ている度合いで検索する技術。キーワード検索がテキストデータを文字列としてそのままサイト内で検索するのに対し、ベクトル検索はテキストの持つ意味に着目して似ているデータを効率的に見つけることができる。
「ベクトル検索」の導入に加えて、「モノタロウ」での取扱商品の情報、顧客の購買行動などの一次データの活用、顧客が入力したテキストからベクトルに変換するMonotaRO独自のモデルを構築したという。
MonotaROは「品ぞろえ」「マーケティング・セールス」「調達・サプライチェーン」「オペレーション」「データ・アルゴリズム」「ソフトウェア」の6つを競争優位性と定めている。2024年10月には、「データ・アルゴリズム」の競争優位性強化のため、データサイエンス部門を新設している。今後は、データサイエンス部門が中心となり、商品検索機能のさらなる精度向上やベクトル検索の大企業向けの購買管理システムへの導入などに取り組む。 ECを通じた購買では、顧客が探している商品を短時間で見つけられる「検索性」が重要と考えており、商品検索機能の強化は創業当初から20年以上にわたって力を入れているという。 検索システムはこれまでに、検索ワードと商品情報の持つ文字列情報が一致しているかを調べる「全文検索システム」、顧客の行動履歴などの解析によるMonotaRO独自のシステムを活用してきた。たとえば、顧客が「モノタロウ」登録時に入力した業種などの情報から、属性に応じた検索結果のカスタマイズを行っている。