過去ボルトにもあったバトン騒動 銀バトン公式オークション騒動の顛末
実は、リレーのバトンの扱いに関しては、過去にもトラブルがあった。 当時のUSA TODAY紙の報道によると、ロンドン五輪で、ボルト率いるジャマイカは、男子400mリレーで世界新記録となる36.84秒で金メダルを獲得、そのレース後に、ボルトが公式競技委員に対して「バトンを記念に持ち帰りたい」と嘆願したが、当初、拒否されたという。 ボルトの「持って帰ることはできないと言われた。規則だからと。そして(公式競技委員は)返さなければ、失格処分にすると言うんだ。とてもおかしなこと」という怒りのコメントも掲載されている。最終的にはボルトの抗議がメディアで報道されたことも手伝って、交渉の末、ボルトがバトンを持ち帰ることを許されたのだが、バトンのその後の扱いについては、規定化しておかなければ今後も同じようなトラブルが続くのかもしれない。 そしてこのときも、ロンドン五輪の公式オークションには、ジャマイカ代表チームのバトンが出品されていた。ただしこのときは、準決勝で使用したバトンとの注釈があって、「決勝のバトンはジャマイカチームが持ち帰った」とロンドン五輪の広報が、わざわざ説明をしていたそうだ。 つまり、公式オークションサイトの運営者は、リレーのバトンに関しては記念に使用したチームが持ち帰るケースがあり、過去にボルトの例があったにもかかわらず、確認を怠り、「決勝で使ったバトン」と説明して出品したことは大きな運営、管理ミスだろう。 東京五輪で公式オークションを開設するか、どうか。その場合の運営や、売り上げ金をどう使うかについても慎重な議論が必要になる。