【毎日書評】信頼される人は、質問力に長けている。そのヒントは「絵訳」にあり
信頼される人は頭のなかでこう考えている
絵訳に「質問力と理解力が上がる」という効果があることを体感してもらおうと、著者は簡単な2つのクイズを提示しています。 まずは、「犬のような4本足の動物」を絵にするとどうなるかという問い。こう聞かれれば、柴犬のような短毛種を想像する人も、チャウチャウのような長毛種を想像する人もいることでしょう。あるいは大型犬を想像したり、小型犬を想像する方もいらっしゃるかもしれません。 このとき、「犬といっても、どの犬種だろう?」「毛の長さはどのくらいだろう?」「大きさはどのくらいだろう?」と疑問を持てたでしょうか。 言葉で考えているうちは難しいと思いますが、それを「絵にしてほしい」と言われた途端に、想像は一気に膨らむと思います。イメージを固めようとすればするほど、曖昧な箇所が浮き彫りになってきて、それが疑問・質問として湧いてくるのではないでしょうか。 これが、絵訳による「質問を生み出す」効果です。(67~68ページより) また、「自分がなにを想像できるか」だけでなく、「自分とは異なる想像がある可能性」まで考えられることも大切だといいます。 もうひとつは、「幹にふしが3つある、葉っぱのふさふさとした木」を絵にするとしたらどうなるかという質問。 このとき、「葉っぱのふさふさした木」という箇所は、あまり想像に差は出ないでしょう。しかし前半の「幹にふしが3つある」については、「ふしってなんだっけ?」と思われるかもしれません。 人はイメージできない言葉、描くことができない内容に出会うと、無意識のうちに、「なんだっけ?」と疑問を思い浮かべるのです。 絵としてイメージしようと思うと、このような「知らない言葉」に引っかかりやすくなります。逆に、言葉だけで考えていると、「ふし」なんて気にせず読み飛ばしてしまうのです。(70ページより) さらにもうひとつ、大切なポイントがあるようです。 「ふし」がわからない言葉として浮かんだとき、イメージはどうなっていたでしょうか。黒塗りになっていませんか? そう、知らない言葉は、イメージの中で黒塗りなのです(人によっては、真っ白だったり、灰色だったりするかもしれません)。(71ページより) つまり、これが「わからない」を見つけること。この「わからない」にうまく引っかかれば、自然とそれが質問として浮かび上がってくる。だからこそ、絵訳が重要な意味を持つということです。(66ページより) 本書で紹介されているメソッドは、やり方さえ知っていれば誰にでも実現できると著者は断言しています。複雑なテクニックを身につける必要もなく、いままでの習慣にちょっとした工夫をすればいいだけでOK。「信頼される人」になるために、参考にしてみてはいかがでしょうか。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: ソシム
印南敦史