井上、チーム救う快投 六回1死まで完全―プロ野球CS・巨人
負ければ日本シリーズへの道が断たれる巨人。 この窮地で先発した若手左腕の井上が躍動した。6回1失点。自身初となるCSでも泰然としたマウンドさばきだった。 【写真あり】力投する巨人先発の井上 直球には力があり、スライダーやカットボールで緩急をつけコースを突く投球も効果的だった。DeNA打線に的を絞らせず、六回1死まで完全投球。安打は戸柱に許したソロ本塁打1本のみで、先発の役割を果たした。「野手もすごく気迫のこもったプレーで、勇気を与えてくれた」 プロ5年目を迎えた今季。6月から先発として頭角を現し、自己最多の8勝を挙げて躍進した。どんな時でも自分自身に集中し、自然体でプレーできるのが持ち味だ。 「一球一球の重みはレギュラーシーズンよりも大きいと思うけど、不安に思ってもしょうがないのでいつも通りに投げたい」。大舞台でも、その流儀を見事に貫いてみせた。 23歳が示したリーグ覇者の意地。阿部監督は試合前、「ここからやり返せたら、本当に強いチームだなと思う。そうなれるかもしれないチャンスがある」と選手らと意思統一した。崖っぷちから、反撃ののろしが上がった。
