吉本興業会見も先行き不透明 宮迫は話し合いに応じるか
会見止めてない? 事実関係確認に追われたと釈明
宮迫・田村は、当初は否定した現金授受について6月8日には会社側に認め、早期に謝罪会見をしたいと申し入れたにも関わらず、会社側は「会社としては静観でいく」として会見を止め、同月24日まで現金授受についても発表しなかったと説明していた。その理由について会社側は「6月8日には参加者全員がカラテカ入江(契約解除)から金をもらっていたと報告を受けたが、入江からはもらったギャラは40~50万円という話がある一方、宮迫らには同月15日以降も再びヒアリングしたが、金額の明確な記憶はなく、宮迫、田村、HG、ガリットチュウ福島の記憶もそれぞれ断片的で整合性がつかず、真偽に疑いが残る状態が続いた」と、事実関係の確認に追われ時間がかかってしまったと弁明。そんな状況のもと各自の判断でSNSやテレビ、取材などで自身の考えだけで意見をいうべきではないと確認、受領した金額の確定にむけて繰り返しヒアリングを実施決定したという。また、この段階で今後事実が確定的に明らかになった場合、重い処分もあり得るとも説明したという。 経緯の確認がなかなか進まない中、ギャラは各自が受け取っていたことだけは判明し、当初のヒアリングで嘘の説明をしていたのは間違いないだろうと判断するに至ったため、18日には宮迫と最終的に面談し、謹慎処分を伝えたという。
反社勢力との関係は? イベント会社に芸人を派遣しただけと説明
直営業をした反社会勢力の企業は、もともと吉本に対するスポンサーなのかという疑問に関しては否定、イベントは都内のイベント会社が主催したもので、吉本はイベント会社の依頼で芸人を派遣しただけだと説明した。そのイベントのスポンサーの一つが、問題となっている特殊詐欺のフロント企業だったが、イベント会社自体は反社でないことは確認できていたものの、その先まではチェックしきれていなかったとして、今後そのあたりのチェックの徹底にも力を入れていくという。 また、岡本社長の進退に関しては、今はまず調査、ヒアリング等、全力でやらねばならないことがあるとして、現時点での辞任などは考えていないとのこと。 今後吉本興業では、さらにコンプライアンスへの取り組みを強化、二度と同様の事態が起きないよう反社勢力の断固排除を徹底するとしたが、その具体的施策についての質問には「コンプライアンス研修の回数を増やす」「タレント一人ひとりとコミュニケーションをとり、契約などについても個別に話していく」など現時点では心許ない返事しか得られず、十分な準備ができないままやむなく開いた急造会見の印象を免れない。芸能界では大手である吉本興業の社長として考えると、泣いて感情にうったえかける一幕も、タレントの涙とは違って反感を買う材料にしかならなかった。「芸人ファーストで、世界中の人に笑いがお届けできる会社を目指したい」と話していたが、その道のりはかなり長そうで、今後の展開次第だが、不透明なまま強引に何らかの決着をすれば宮迫側も会社側もどっちもどっちといったことにもなりかねない。 まずは宮迫が会社側との話し合いのテーブルに着くのかどうか、さらに経緯を見守りたい。 (文・志和浩司)