Twitterという「孤独の解毒剤」が奪われた2023年。イーロン・マスク買収後は“なりすまし”や差別用語も激増…“ゴッサム・シティ”となり果てたTwitterは何を失ったのか
ゴッサム・シティと化したTwitter
それから10年以上が経ち、社会は大きく変わった。Twitter上に投げられた声が大きなムーブメントになったことで、変化した価値観は多いだろう。LGBTQ+、ワークライフバランス、夫婦別姓……いろいろな概念が飛び交い、想像力をもたらした。 それでも、前述のとおり、Twitterの雰囲気はここ数年悪くなる一方だった。2019年にはTwitterのメイン機能である「リツイート」の生みの親が、「弾をこめた銃を4歳児に持たせてしまったのかもしれない」と開発を後悔しているというインタビューもあった。もしかすると、Twitterは分断はどこにでも生じるという人間が持つ負の部分をも増幅していたのかもしれない。今の混沌状況は必ずしも買収だけが原因ではないのだろう。 最近では、アルゴリズム変更の影響からか、私のタイムラインは「バズった投稿」ばかりが並ぶようになり、まだ1 likeもついていない友だちの本音はほとんど見られなくなった。同時に「寂しいな」とつぶやいても、かつて存在したグリップ感はほとんど得られない。 ゴッサム・シティへと成り果てたTwitterからよそへ移住する人も多い。Bluesky、Mastodon、Threadsか、はたまたDiscordか。新天地は数多あれど、私はまだ「X」と名を変えてしまったこの場所から離れられない。10年かけて築いた人間関係やデータの蓄積まで、すべてをほかで再現することなどできないからだ。 私は虚空に文字をポストしたいわけじゃない。たまに喧嘩はあれど、孤独を癒やしてくれる懐かしい森でさえずりたいのだ。
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