『生きのびるための事務』著者、坂口恭平さんインタビュー。「事務は僕にとって、冒険をするためのもの」
ソクラテスと出会って教えてくれたこと。
ジムはこうも言う。 〈生きてる間にすることって、自分が何が好きなのかを探して、見つかったら、死ぬまでそれをやり続けることです。〉 仕事や家庭に追われて生きてきた大人が、自分が好きなものを思い出せないときはどうしたら? 「子どものとき、最初になりたかったものがあるでしょう? この本を読んでも思い出せなかったら僕に電話してください」と坂口さん。 「ソクラテスにね、言われたんです」。フランスの哲学者、ミシェル・フーコーがソクラテスを再評価した著作から受けた啓示だと言う。 「自分自身をまず救いなさい。次は公衆の面前に出て、自分が救われた経緯を全て話してあげなさい。自らに心配りする方法を教えてあげなさい、って。この言葉はまさしく僕のしていることのテキストブックだと思っています」
撮影・天日恵美子
『クロワッサン』1122号より
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