友人は、ほぼ毎日「日付が変わる直前」まで残業をしているそうです。一日あたりの「残業時間」って、どのくらいが「一般的」なのでしょうか?
友人がほぼ毎日「日付が変わる直前」まで残業をしていると聞くと、その労働環境が心配になるものです。では、一日あたりの「残業時間」は、どのくらいが一般的なのでしょうか。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは? 本記事では、日本における残業の実態と、友人のようなケースがどれほど一般的なのかを探ってみます。
労働時間の実態
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和5年分結果速報」によると、労働者の月間労働時間は表1の通りです。 表1
※厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年分結果速報」より筆者作成 一般労働者の月間総実労働時間は163.4時間で、そのうち149.7時間が所定内労働時間、所定外労働時間(残業)は13.7時間です。この数字は月間の平均値ですので、一日あたり約0.6時間(約36分)の残業が発生している計算になります。 パートパートタイム労働者の月間総実労働時間は79.2時間で、そのうち77.0時間が所定内労働時間、所定外労働時間(残業)は2.2時間です。一日あたりでは、約0.1時間(約6分)の残業となります。
ビジネスマンの残業実態:4人に1人が残業なし
株式会社アスマークが実施した「残業に関するアンケート調査」によると、20歳から59歳のビジネスマンのうち、約4人に1人は残業がないことが分かりました。 また、残業をしているビジネスマンの半数以上が、月間の残業時間が10時間以上45時間未満であることが明らかになっています。 ■残業をする理由 残業の理由について性別や年代別で見ると、30代および50代の女性の約7割が「業務が終わらない」という理由を挙げています。一方、20代男性の残業理由としては、「プラスでやっておきたい業務がある」や「残業代が欲しい」といった理由です。 役職別に見ると、部長クラス以上の役職者は「プラスでやっておきたい業務がある」が残業の主な理由となっており、他の役職に比べるとその割合が高くなっています。対して、課長クラスでは「業務が終わらない」という理由が特に多くなっています。